ジャックの記事
連載
01 鹿島灘はまぐりのすき焼き
02 八重の故郷 会津若松の「こづゆ」
03 明石海峡 いかなごの釘煮
04 千葉・九十九里 太巻き寿司 銚子蛤と、ながらみ
05 能登の調味必需品 いしる
06 春のご飯 大根の菜飯(なめし)
07 あさりで深川丼 あさりご飯
08 もんじゃは ゆらゆら波の上
09 秋田 ハタハタをおいしく
10 ちぎっては投げ の ひっつみ汁
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食べ歩き 全国家庭料理47選
08 もんじゃは ゆらゆら
波の上
前回の深川めしに続いて東京下町の味をご紹介。
粉(こな)もん
好き、といえば大阪に止めを刺すとは思いますが。広島には有名なお好み焼きがあり、意外や沖縄も粉もんが好きなのです。なにせ、モズクをいれて焼いちゃうそうですから。同じ粉を使うのに、広い意味ではうどんも入るのでしょうか。県自体が「うどん県を名乗る香川県あり。関東でも山梨の吉田うどん、同じく甲府のほうとう、群馬の水沢うどんなんかもあります。もっと広義でいえば、岩手の「ひっつみ」は鍋にちぎって入れます。大分の「やせうま」は一口大を茹でて、そのまま黄な粉にまぶして食べます。もっともっとあるかもしれませんが。
ここではやはり、鉄板で焼く、という粉もんに限っていきましょう。大阪のそれは、なにせ、半球にくぼんだ「たこ焼き用鉄板」が、その辺りで売っていて、家庭で当たり前のように焼いているくらい。「ぼてじゅう」に代表されるお好み焼きも大阪人のお好み。
さて翻って東京は
「もんじゃ焼き」
。口の悪いカズンに言わせると
“ありゃ、戦後の物資の無い時代、小麦粉をなるべく薄く延ばして、そこらにある食えそうなものを適当に入れて、七輪にほうらく鍋をのせて焼いただけ、貧乏人の代用食”
と、実も蓋もありません。
もんじゃ焼きの語源は、子供達が薄く延ばした粉に文字を書いたことから
「文字焼き」
と呼ばれ、江戸っ子の巻き舌で言われる内に「もんじゃ」となった、と言われています。
もんじゃは
月島の代名詞
になっていますが、月島は明治中期に隅田川の河口を埋め立てた、東京湾埋立地の1号としてできたところ。長屋が集まった下町らしい町並みになっていきます。路地に駄菓子屋ができ、子供達が集まってもんじゃをおやつに食べたのです。
月島は銀座にも近く、隅田川の築地市場に向かい合ったところ。最近は再開発でオフィスビルやマンションが立ち並び、地下鉄のお隣「豊洲」には築地市場が引っ越してきます。ビルの間にはまだ昔の佇まいが残っていて、もんじゃの店が立ち並びます。どこへ入ろうか迷っている人たちを良く見かけます。
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もんじゃ焼きの店が連なる月島の町
そんな町並みでもんじゃを楽しむのも良いけれど、ここは隅田川のほとり。いっそ、町を抜け出して、川の上でのもんじゃも、是非試してみたいもの。
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月島桟橋に繋がれた屋形船 水門をくぐって大川へ
月島桟橋から屋台舟
に乗って、勝鬨橋、レインボーブリッジをくぐって、ウォーターフロント、お台場まで20分ほど。ジャックが乗ったのは5.000円でもんじゃ数種類と、缶飲料の飲み放題(もちろんビールあり)、約2時間の船旅です。なれない私達には乗り込んでいるお兄さんたちが、手際よく手伝ってくれます。もんじゃはいろいろな楽しみ方があり、半熟状態から、少しずつ固まったもの、そして焼きすぎてカリカリになったものまで、食感が味わえるのです。
メニューは
「クラシックミックス」「明太子餅」「ナスチーズ」「タイ風カレー」「豚キムチライス」「シュリンプドリア」
など。変わったところでは
「いちごミルクのデザートもんじゃ」
。人気は市場でとれたてのウニを使った
「ウニもんじゃ」
。
ジャックのお勧めはお餅のもちもち感と明太子の辛味が絶妙の明太子餅でした。
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左から シュリンプドリア タイ風カレー 豚キムチライス
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左から クラシックミックス ナスチーズ 明太子餅
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屋形船の中で
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一斉にいろいろメニュー焼き始め
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ある程度焼けてきたら周りに寄せて、タレを投入
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ここから少しずつ取り分けていただく、お好み焼き食べるより熱いので注意。右は小船で行商にやってきたおじさん。
お台場でゆらゆら揺られながら、ビールが効いてきた頃、小船に乗ったおじさんが、つくだ煮などの小魚を売りにやってきます。けっこう珍しくて買って行く人多し。
2時間の船旅で体も温まります。うつらうつらしていると、スカイツリーを見損なうので最後まで気を抜かないように。
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駒方橋からスカイツリーを見る
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清洲橋からスカイツリーを見る
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駒方橋の近くからスカイツリーを望む
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家庭料理と食材紀行 日本の味めぐり
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