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食べ歩き 全国家庭料理47選
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04 千葉・九十九里 太巻き寿司 銚子蛤と、ながらみ
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銚子から大原、御宿にかけて、弓状に続く外房、九十九里浜。ちょうど中間辺りにある蓮沼。海浜公園が様々整備されて、首都圏からのリゾート客も多いところです。
成田空港を背面に控えて、発着する航空機が頭上を行きかう所、農林漁業のムラだった蓮沼も、空港で勤務する人たちの生活圏となって、近代化も進んでいます。
食材豊富といわれる温暖な土地なのに、名高い食べ物がない、といわれる地元ですが、伝統料理として伝えられているのが「いなか寿司」または「まつり寿司」と呼ばれる『太巻き』で具をさきざま巻き込んで、まるで絵を描くように仕上げる寿司です。
昔から祭りや祝い事があると必ず膳に乗せられ、そのためには寿司職人がよばれて作った、といわれます。今でも、結婚式や七五三、雛祭りなどの祝い事には太巻きが欠かせず、仕出し屋は徹夜作業で、自宅での祝い作業には腕自慢の主婦たちが、総出で巻き上げます。
普通の味付けだと食べる時に味がぼやけるために、全てに濃い目にしあげるのがポイントとのこと。酢飯の割合も、米一升に酢二合、砂糖500グラム、塩50グラム、合わせ酢をたっぷりご飯に含ませます。かんぴょうや、しいたけなども、濃い目に感ずる味付けにするそうです。
この日作ってくださった方は“作り方なんて言ってたら、日が暮れちまうよ、もう、自然と大巻きと飾りで入れる巻きは感じですよ、こんなもの絵にしたかったら、こんな色のもの細く巻いてみようとかね、ただ、コツは、太巻きのご飯に、細巻きを入れる「土手」溝をなるべく均等に盛り付けるように、ていねいにやれば、それだけ絵も生きてみえるからね”。
この太巻き、大きさは、写真の巻きを切っている様子でお分かりですね。
2~3センチに切り分けられた寿司、切り口の彩りも鮮やかで、柚子の香りいっぱいの蛤のお吸い物と一緒に頂きました。
しょう油の必要のない味付け、食べ応え充分、二切れほどで、お腹いっぱいになりました。
頂いた蛤ですが、それこそ二昔前までは、蓮沼の海水浴場で、ツイストを踊るように、足で探せば、晩のおかずになるくらいに採れたものとか。「銚子蛤」と言って、あさりのように、貝にぎざぎざのある貝です。また、「ながらみ」という、巻貝があって、そのまま茹でて、酒のつまみに、も、うまいものがありました。
このながらみ、ユフィも覚えていて、ご近所のスーパーでも買ってきてくれたことがありました。残念ながら、最近では東京では、あまり見かけることができませんが。 |
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