やましたさんちの玉手箱
ユフィの記事
連載
01 母の仏壇は五十年前の父の仏壇 一緒には入っていない
02 仏壇の花は自給自足できる?
03 鈴の音が気に入らない・買い換えた
04 ネットリサーチの結果の新盆
05 湯のみ茶碗は春は牡丹 秋に菊
06 線香立てに灰がいっぱい
07 線香に火をつける話あれこれ
08 線香立ての灰が汚いし足らなくなる
09 アマゾンで香炉灰を購入
10 アマゾン購入の線香は煙・香り無しの「ZERO」
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仏壇物語

04 ネットリサーチの結果の新盆

お盆とは先祖の霊を迎えて供養する年中行事

母が逝って4ヶ月近く後、「新盆」と呼ばれるお盆の時期が来た。
それまでの「お盆」は、「昔からの年中行事」としてのお盆だったから、まだ供養すべき身近な先祖が居なかった我が家では、特別な行事の日ではなかったように思う。

ところが、サーヤが昔の家の門先で「迎え火」を見ている写真を見つけて「あれっ」。
「仏壇01」で、「父の23回忌に郷里に墓を建立したので、仏壇は仕舞った」と書いたのだが、23回忌では年数が合わない。
しかも、サーヤが迎え火をしているのだから、33回忌の間違いだったのかもしれない。
ということは、遠い記憶にサーヤも父の墓に同行していたような気も…。
齢60にして、ボケてきたのだろうか?


サーヤには、この迎え火の記憶も、宮城の墓の記憶もない様子なので、父の為の迎え火はこの年までだったのだろう。
サーヤの会社は大手なので、夏休みはかなり長く7月末から8月初めまであるが、8月の「旧盆」にもお盆休みがある。
「お盆」とは旧暦の7月13~16日頃までとされていたので、現在は東京などのようにそのままの月日で行う場合と、地方などでは旧暦の暦と近い8月15~16日までの、いわゆる「旧盆」に行われることが多いようだ。

この旧盆の時期の東京の街は、ひっそりとしていてとても静かになる。
調べてみたところ、お墓参りの時期でトップは「お盆」とのこと。
地方の郷里に帰った家族が揃ってお墓参りし、墓を綺麗にしてから花や好物を供え、そのまま先祖の御霊を家まで連れ帰る、というしきたりのある所も多いらしい。
家先で、先祖が迷わずに家まで来てくれるよう「迎え火」を焚くより、ずっと丁寧な迎え方だと思う。

迎え火は7月13日の夕方に焚き、玄関の戸を開けておいて御霊を迎え入れる。
「新盆」は特別なことなので、仏壇の設え(しつらえ)も普通ではいけないかも知れないと、ネットリサーチした結果、略式の形は整えてみた。
本来は、「盆だな」と呼ばれる設えを作るらしいのだが、近い形で許してもらうことにしての結果が写真。


位牌は仏壇から出して盆だなの後中央に置き、四方隅に笹竹を立て、綱を回して「ホオズキ」をはさんで飾るらしい。
我が家の簡単新盆の飾りは、仏壇はそのままに前に白木の棚を置き、飾り物を供え、ホオズキをはさんだ綱を床の間の両柱に渡したもの。
白木棚には、白い葬儀社用の仏具を置き、母の好物のメロンや野菜、菓子類をいっぱいに並べ、花も白百合にした。
本式には、台にはマコモのござを敷き、香炉・蝋燭立て・鈴・線香などの仏具、茄子の牛・胡瓜の馬、盆花、季節の果物やそうめん、水などを供えて、盆提灯を飾るらしい。

田舎に行くと盆提灯は必ずあるが、近年の東京ではあまり見かけない。
新盆には「白無地提灯」で、以降は涼しげな花模様などの「盆提灯」が置かれるようだ。
我が家では、この「簡易盆だな」でお寺の住職にお経をあげてもらった。
逝った日の翌日、1階の居間に敷いた布団に安置された傍で、お経をあげてもらってからの2度目のお出でだった。

地方だと、バイクや自動車でお出でになる住職も多いのだが、我が家のお寺の住職は電車利用だった。
そう言えば、このお盆と旧盆の季節には、電車内でお坊様を見かけることが多いのに、後から気がついた。
自動車などでは、都内は交通量も多く時間が測れないので「電車が一番です」とのこと。
電車でいらしても、包みには「お車代」と記すのだが…。

この白木の棚は、折り畳み式になっていて、葬儀社が「後々便利に使える」と言っていたもの。
確かに大きさも手頃で、クローゼットの隅に入るから、便利ではある。
その後お盆の度に出して、マコモのゴザを敷き、蓮の葉を乗せ、果物や野菜、ホオズキや菓子などを供えて利用している。

そもそもお盆の行事の由来は、2つあるらしい。
一つは仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)という行事。そう、「大施餓鬼会に出席-前編-」「大施餓鬼会に出席-後編-」に出てきた正式の行事のことだ。
釈迦の弟子である木連尊者が、餓鬼道に落ちた亡き母を救う為に、多くの僧侶と共に供養したと伝えられる行事のこと。
もう一つは、民間の「御霊まつり」で、記録は残っていないようだが、家ごとの先祖や死者に対する飲食物のお供えが基にあったらしい。

この「盂蘭盆会」と、日本古来からの「御霊まつり」が合わさって「日本独特の行事」となっていった様子だ。
日本各地に伝わり残されているお盆の行事は、「京都の送り火」「長崎の精霊流し」などや、「阿波踊り」「岐阜の郡上おどり」などで知られる『盆踊り』などが有名で、そのほかにも地方色豊かなものが多く存在している。
『盆踊り』などは、起源もなにも分からずに、今でも幼稚園や学校の行事として伝えられている一例だ。

そして、15日の夜、または16日の朝「送り火」が焚かれ、祖霊は静かに見送られて帰っていく。
ネットリサーチで、送り火の日にちは地方でいろいろで、15・16日の午後とあったが、我が家では朝に焚いている。
迎え火は家族で焚くことが可能でも、送り火はいつも私1人で焚くことに…。

この火に使用される「おがら」は、スーパーや八百屋などで売っているし、飾り物用としての野菜・果物・菓子も売られていることが多い。
「おがら」は迎えと送りの両方に使うので、半量は別にしておく。
16日には、もう売っていないのだから。
ホオズキも見つけたら購入しておかないと、売り切れることもある。


ホオズキは盆花の代表とされているが、実は「鬼灯」とも書くように赤い灯火、小さな赤い提灯の意味もあり、仏壇に飾る花でもあり灯火でもあるらしい。
今年の梅雨明けが早く異常な暑さで、「下北沢のスーパーまで行くことが無理かもしれない」とホオズキを諦めかけていたとき、ジャックが「ほおずき市」に出掛けたついでに鉢植えと一緒に買ってきてくれた。
感謝、感謝。

盆花はこのほおずき1本でも充分そう。それくらい大きくて見事だ。
この暑さでへたっていた葉も、水切りで元気になったし、その生命力に感嘆する。


ホオズキが盆の前後に花咲き、実を成らせるのは、自然界と人間世界の切っても切れない関係を意味している。
そう思って見ることで、お盆の祖霊を祀る意味合いも深まることと思う。
ホオズキを見つけたら、花瓶に挿したり、棚の隅に置いたりして、「お盆の雰囲気」を味わうのも一興かもしれない。
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