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秀山祭 九月大歌舞伎はサーヤと共に

1階席だったら行きたい
チラシ

今までご招待で頂いた「歌舞伎座の席」は、全て2階席だったのだ。
今回は座席表で確認、舞台に向かって右端の2階席の真下くらいのようだ。
チケット

真夏は薄着だったから、クーラーが効き過ぎていて寒いくらいだったこともあり、急に涼しくなった8月下旬からの気温を考え、服選びは難航した。
当日は雨予報の蒸し暑い日となったのだが、この5回目の歌舞伎見物は、なんとも今までとは違った展開になってしまう。
1階席からの舞台

渋谷のデパ地下でのお昼の屋弁当購入、会社の人たちへのお土産探し、ということで早めに出掛けたから、しっかり余裕で席には着けた
2階席とは違って、とても座席に余裕があるのが、サーヤには喜ばしかったようだ。
字幕ガイドと席
なにしろ長時間座ることを覚悟して、座席に低反発の座布団持参という腰痛持ちのサーヤは、「字幕ガイド」を前の座席に掛けても、余裕のあることに大満足の様子。


流石歌舞伎座のスタッフは凄い

真夏の服プラスの服装で、汗びっしょりで喉が渇いてお茶を飲んだのが失敗、気管支に入ってしまってしかも苦い。
目薬のムコスタの苦味が、時折ひょいと喉元に上がってくるのだ。

むせてしまって、咳が止まらないので、直ぐ右脇の扉から外へ出る。
扉近くの担当スタッフが、ぬるい水を持ってきてくれるは、「龍角散の錠剤」を差し出すやら、とても細かく気を配ってくれて、最後には「マスク」まで持ってきてくれた。

冷たい水ではなかったことと、「龍角散」と「マスク」には『流石は歌舞伎座』と感じ入った次第。
そして、最後の幕間でゆっくりとお茶をし過ぎてしまって、トイレが遅くなり、開幕してしまった際の別のスタッフとの応対に、またまた感心してしまう。

開幕してしまった途中からの入場は、周囲の客の迷惑も考えて入り方が難しいのだ。
まずは、一番近い扉の前ですったもんだが始まった。
「お席の番号を」と言われても直ぐには探し出せないのだ。

「直ぐそこです、扉の前です」と言ってるいる間に、他の客も来て押し問答。
その人が入った瞬間に「ほら、そこの目の前の席」と指し示して、やっと入れた。
かたや親切で丁寧、かたや決められたことは曲げられない、二つ共に歌舞伎座の伝統と言うことか。

「絵本太功記」
絵本太功記

秀山祭とは、初代吉右衛門の功績を現代に伝えるものらしい。
人間国宝の二代目吉右衛門が、昼夜初代の当たり役を努めるとか。
昼は「法界坊」で、夜は「絵本太功記」だ。

信長を討って、母の閑居を訪ねる光秀の話なのだが、申し訳ないけれど、話が良く見えないのだ。
出演の女性達は泣いてばかりだし、息子は許婚の皐月と祝言してから戦に赴いて瀕死の状態で戻るし、光秀は誤って母を竹槍で刺してしまうし、くらーいお話で、人間国宝だって「しどころがないよなあ」という感じ。

サーヤの「字幕ガイド」を時々覗いて、「お母さんも借りれば」と言われてしまった。
今度は、「音声ガイド」を借りてみるかなぁ。


「連獅子」
連獅子

夜の部では、一番の見ものだよなあ、と思っていた舞踊だ。
仁左衛門と孫の千之助が、「親子の獅子の情愛や勇壮な獅子の舞い」をたっぷりと演じてくれる。
「字幕ガイド」で、親子ではなく祖父と孫の組み合わせが珍しい、とあったみたい。

後で喫茶室の客の会話から、千之助が14歳だと知った。
身体も小さくて細いし、動作も軽々としていて、非常に若い感じは受けていたけれど、子供だねえ。
とても軽く動くし、とんぼまがいの動作も入っていて、客席が盛り上がっていた

サーヤに説明する際に、「毛振り」と呼ばれるあの「獅子かしら」を回す所作は、「頭を振るのではなく腰を使って回すのだ」と説明した。
頭を回していたら、目が回って大変だよね、と言う感じだったのだが…。

「1階席なら近くで見られるし、迫力も違うね、きっと」と楽しみにしていたみたい。
そう、いつも2階から見下ろしていたから、最初はまっすぐに舞台が見えることに、なんだか違和感があったのだ。

千之助の「毛振り」は、腰からではなく頭ごと力いっぱい回していた様子だ。
段(石橋)に上がるのも飛び上がっているし、飛び降りし、仁左衛門の重厚な動きとは正反対で、とても見ごたえもありしかも楽しい。
客席もかなり沸いていたから、張り切り概もあったね、きっと。


「御所五郎蔵」
御所五郎蔵

男伊達の粋と意地を、黙阿弥の名せりふで彩る絢爛の舞台、なのだそうだ。
花の吉原での恋の鞘当、敵同士の男の張り合い、花魁による心中立てや殺戮の場、めまぐるしい位に場面は変換し、そして、突然の両主役の挨拶で幕引きとなった。

しばらくはキョトン、「こういう終わり方もあるんだあ」と言う感じでお仕舞い
あの後の続きはどうなるのか、疑問は「字幕ガイド」に書かれていたみたい。

サーヤ曰く「皐月という花魁のほうが若いみたいだったけれど、もう一人の花魁のほうが綺麗に見えた」とのこと。
年齢的には若い皐月のほうが綺麗に見えるはずだけれど、立ち居振る舞いに年輪が加わったほうが美しいと感じたのだろうか。

幕間にお弁当を座席で食べたが、1階には2階のような休憩が出来るような席はない。
ゆっくりと食べられるということでは、2階席のほうが良いようだ。
ただし、席取りをしなくてはならないから、少し忙しいけれど…。

2回目の幕間に1階の喫茶室へ、ケーキを食べに行く。
コーヒーとセットで1400円くらいと、かなりお高いのだが、季節限定の味もあって美味しいのは確かだ。
写真は撮り忘れたので、また次の機会に…。


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