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NHK「花子とアン」 衣装が楽しみ その4

連続テレビ小説 花子とアン Part1 (NHKドラマ・ガイド)
三姉妹の性格の違いが出ている

昭和の時代に入ってきて、北海道の開拓地から末の妹ももが逃れて来る。
夫に先立たれ、居場所を失っての上京で、直接花子を訪ねたのではなく、蓮子の元へ駆け込んだらしい。
白蓮の名で「女性の自立」を呼びかける蓮子の元には、助けを求めて駆け込む女性が多い様子だ。

ももは蓮子に連れられて来るのだが、近くで喫茶店開業のかよと共に三姉妹が揃ったことになる。
ももは北海道での悲惨な暮らしには似合わない、こざっぱりとした姿だった。
ただし、色合いはグレイが基調で、明るさは全くなく、表情も硬い

かよは、やっと亡き恋人の死から立ち直って、半襟はチェックから少し柄の大きな派手目のものに変化しているし、銘仙の色柄も明るくなってきている

ももは、薄ネズミ色の半襟と、ねずみ色の絣風の着物、同色系の帯というくらーい組み合わせ。
花子の幸せを羨む気持ちが、服装にも反映されているのだろう。
少しずつ、心を解いて行く内に、あずき色系統の色彩へと、変化していくようだ。

花子自身は、長男を亡くして以後は、執筆と翻訳で忙しく働いていて、着物の色合いは濃い色が多いようだ。
青系の紫や濃い緑など、大柄で華やかな印象のものが目に付いた。
髪型も「耳隠し」から「昭和初期の髪型」に変化しているし、花子としては年を重ねていることが分かる。

さて、ユフィの気になっている『半襟の話』、最近はあまり気にならない。
きっちりと襟元を合わせすぎるように感じていた花子の襟元は、最近になって落ち着いてきているせいだと思われる。

それでも、かよやももに比べれば少し窮屈な感じはするのだが、蓮子のかなり緩やかな細めに覗く半襟と比べたら、性格がきっちりしていることを表す工夫なのか、と納得しそう。

夏場の半襟は全員が白っぽい無地のものが多く、とてもすっきりとしている。
今までの花子の半襟は「小紋調」、かよは「チェック」という楽しさは無いが、見ていて気持ちよいのは最近の和服では「柄物の半襟」を見なくなっているせいかもしれない。

花子役の吉高由里子は、とても首が長くて綺麗なので、ギュッと詰まった柄物の半襟が似合うといえば似合うのは確かだ。
それでも、現代では見慣れた白の半襟で、少し緩めの着付けは、清清しくとても素敵だと思う。

昭和の時代に入って展開も早く、あっという間に戦争に突入しそうだから、この先はもんぺ姿が多くなっていきそう。
つまらない時代になるのだが、その先の戦後を楽しみにするとするか!
母と同じで戦争中の話は敬遠したいのだが、時代を語るにははずせないのだから我慢する。(ごめんなさい)

ユフィは、自分の着付けは得意だし、仕事として結婚式の着付けもしていたから、テレビのコマーシャルを始めドラマや、私服での女優の和服の着付けにも口に出さないだけで「とても煩い」。

「半襟」と共に気になるのが「帯締め」で、文句が言いたくなることが多いのだ。
ほんの少しの結び加減で、全体が崩れたり締まったりする要だと思っている。
最近は真ん中に締めている人が多いようだが、年齢的に決まりごとはあると思う。

若い人は帯の真ん中でしっかり帯締めを締めたほうが、若々しく仕上がって初々しい
しかし年齢が進んだら、真ん中で締めるのは、体つきや顔とのバランスで似合わなくなるのだ。
第一、若い女性達の振袖姿の帯などは、幅が広いのだから、落ち着きの出た年齢の帯幅とは大分違うはずだ。

ほんの少しの加減で、粋にも野暮にもなるのは、半襟の見せ方と帯締めは同じだと思われる。
「半襟」は着付けの最初の「要・かなめ」であり、「帯締め」は文字通りの着付けの仕上げの要なのだ。
口出しが出来ない分、「イライラ」が溜まりそうになるのだが、おせっかいなんだろうな、きっと。
「ほんの少し、1cm下げるだけで満点なのに…」

街中で、花火大会に行く女の子のだらしない浴衣姿に、口も手も出そうになるのが「こわーい」ユフィだ。


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