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マサムネの腎不全に新薬シロップ「セミントラ」

マサムネの膀胱炎騒ぎで夜間救急動物病院に駆け込んだり、抗生物質と点滴を数回受けたりして何とか回復したはいいが、やはり血液検査で腎臓がさらに悪化していることがわかった。
このため、半年続けてきた膀胱ポリープの粉薬は腎臓に負担がかかるということで中止し、しばらくは腎不全の治療に専念することになった。

その治療法としては主に三つ。
一つ目は、腎不全の療法食フード中心の生活とすること。
一年ほど前からサイエンスダイエットの「プリスクリプション・ダイエット 療法食 KD」というものを食べさせていた。
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これも腎不全の治療食となるが、獣医師が推奨してくるのはロイヤルカナンの「療法食 腎臓サポートスペシャル」。問題は味だが、意外とこっちの方がおいしいのかマサムネの食いつきが良いので安心。
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二つ目は、水分補給のための点滴。
腎不全は体内の水分のめぐりが悪くなるので、脱水症状を起こしがちになる。脱水を起こすとグロッキーになって危ないし(自分も経験してるが相当辛い)、さらに腎臓に負担がかかってしまうので、定期的な水分補給が必要。猫は指示通りに水を飲んでくれるわけではないので、週二回の点滴が確実なのだが、通院回数も多いし金額的にも厳しい。
したがって、獣医師のレッスンを受けて自宅点滴を行うことになった。
ジャック父の記事をどうぞ→「マサムネ君 自宅点滴開始

三つ目は、新薬シロップ「セミントラ」を飲ませること。
2年ほど前に出たばかりの新薬でまだ普及率・認知率は低いが、この薬が登場するまでは療法食くらいしか対策がなかった腎不全の猫にはありがたい。

一言で説明すると。
機能低下した腎臓は再生できない。この薬はその機能低下の進行を遅らせ、残された機能をより長く働かせるためのものである。

もう少し説明すると。
腎臓の働きとは?
血液をろ過し、老廃物を尿とともに対外に排出する。尿毒症にならないよう調整する。
腎臓が破壊される(腎不全になる)と?
普通は大きな物質であるタンパク質はろ過されないが、腎臓破壊によってこし出されてしまい、さらに腎臓に負担がかかる。そのため腎不全は尿にタンパク質が出る。
多飲多尿、食欲不振、嘔吐、痩せるなどの症状が出る。
セミントラを飲むと?
尿タンパク質の漏出を抑える。血管を広げて水分・電解質を調整し、腎不全による高血圧の降下作用がある。総合的に腎臓の負担を軽減させる効果がある。

セミントラの説明書を読むと専門用語が多く難しすぎてワケわからないので、自分なりに調べて分かりやすく解釈した。

さて、このセミントラは飲み薬シロップであり、シリングによって飲ませる必要がある。
一日に一回、決まった時間に飲ませる。(効用が24時間であるため)
シリングによって猫の口に挿入し、飲ませる。猫によって暴れて無理な場合はフードに混ぜて飲ませる方法もある。(シリングで飲ませるのが確実ではあるが)

この飲み薬はフタの開け方にコツあり。
おそらく衛生管理のため簡単にフタがあかない仕組みになっている。開けるときはフタを押しながら回す必要がある。
本体のフタ部分に上から押して回す図解がある。


シリングを本体に差し込み、逆さにして液体を抽出させる。
なんか化学実験みたいで楽しい。

シリングのメモリの測り方は簡単。
3キロのネコならシリングのメモリ「3」まで抽出させる。
4キロのネコならシリングのメモリ「4」。
5.5キロならメモリ「5.5」。ほら簡単。

よーく見てみると、シリングのメモリの一番下にクロネコのシルエットがあってカワイイ。

ただし、猫によっては薬が体に合わず吐き出したり、体調を崩す場合もあるので、その時は中止して獣医師に相談すること。
マサムネの場合、ウンチが軟便になってしまったので獣医師に相談したところ、お腹がゆるくなることがあるので薬の量を減らして少しずつ増やす方法でいくと良いとのこと。
二週間くらい「2」で飲ませ、ウンチが少しずつ戻ってきたので「3」に増やし、1か月後にはウンチが元に戻った。今は「4」を飲ませている。

さて、これからが一番重要。
猫へのシリングによる飲ませ方。これができないと治療もままならない。
獣医師に飲ませ方のコツを教わっているので、それを実演してみよう。

マサムネを後ろから抱きしめ、左手で上半身を固定し、右手にシリングを持つ。


マサムネの口の横からシリングを差し込む。横からがポイント。真正面からだと口を開いてくれないが、横からだと口を開けてくれる。
その時の気分によっては横からでも「開けるもんかい!」と抵抗する場合もあるが、だいたい根負けして開けてくれる。


口を開いたら、さっとシリングの向きを変えて奥に射ち込むようにしてシリングをプッシュ。
一気に射ち込むと飲みきれずに口から洩れてしまうので、2.3回くらいに分けてプッシュするといい。
するとベロンベロンとに舐めとって飲んでくれる。


終わった後、しばらく口周りを舐めてる。フードに混ぜても良いが、シリングで飲ませた方が洩れなく飲んでくれるので、頑張ってシリングで飲ませよう。
数週間すると、箱型や寝転がったポーズのまま飲ませられるようになってきた。顔は相変わらずイヤイヤと避けるがシリングを口につけた時点で「しょーがないな」と開けてくれるようになる。

この飲み薬は獣医師が「シロップ」と呼ぶだけあって、無味無臭らしいが高濃度の砂糖水みたいにベトベトする。
うっかり間違えてマサムネの顎下にプッシュしてしまったら、顎下と胸がベトベトし、乾いてゴワゴワになってしまった。オシャレな服を着てやるのはやめようね。

ちなみに気になるお値段だが、5000円前後。
動物病院によって数百円ほどの誤差があるが、処方箋の部類なので通販では手に入らないし、「ペットのくすりやさん」というペット専用の薬の通販があるが、数週間~1か月以上かかる場合もあるのでオススメしない。
面倒でも動物病院に行って購入しよう。
マサムネくらいの4キロの猫だと、1か月~40日くらいは持つ。

この薬を飲み始めてから、初めての血液検査を受けてみたところ変化があった。
尿素窒素(BUN)の正常範囲は16~36
マサムネの場合、1年と数か月前から受けてきた血液検査では一回目は51、二回目は47に下がったものの三回目から上昇しっぱなしで、前回は64という危険ゾーンに。
それがセミントラを飲み始めてから1か月後の検査では51と最初の数値に戻った!
クレアチニン(CREA)の正常範囲は0.8~2.4で、マサムネは3.0。こっちは少し増えていたが、危険ゾーンではなく要注意の範囲。
総合的には危険ゾーンから逸脱して要注意ゾーンに落ち着いてきたようだ。

療法食、自宅点滴、セミントラ薬の効果が出たらしい。
成果が数値に出てくると頑張る気が出てくるね。(マサムネ自身は頑張るつもりはないだろうが)
高額な薬だが、これでマサムネが元気に長生きしてくれるなら惜しくない!
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