車道脇の街路樹の下に
公園の草が刈り取られてしまって、野蒜(のびる)の花を見ることは絶望的になったと思っていた日。前記事→ご存じですか? 野生の野蒜
偶然に買い物帰りの道端で、ひょろひょろと伸びた茎の先に、小さな実が丸まって付いているのを見つけた。
殺風景になりがちなマンションのダイニングに、いつもベランダの花や公園の緑を摘んでは飾っているから、見たこともない面白い形だし、丈の短い実には花らしいものも見える。
飾るのには最適と喜んで、引き抜いた数本の1本が根っこごと抜けた。
「あれっ、のびるの玉だ」そういえば特有の葱の匂いもするから、間違いなく「のびるだし、花だ」と嬉しくなった。
そして思い出したのが春先のこと、細い特徴のある葉がたくさん固まって伸びていたので、1本ちぎって嗅いだときに「野蒜」だと気づいていたが、何日か後には刈り取られてしまっていたことを。
だからと言って、街路樹の下の緑地だし、スコップ片手に掘り出しには行けない。
「こんな場所でも生えてくるんだ」と感心しただけだった。
野蒜採集には、広い公園の片隅が絶好の地だ。
ただ、花は小さくて白い点々にしか見えない。
ネット検索で、とても愛らしい白や薄紫の小花の写真を見つけた。
とても可憐で綺麗な花だ。
で、もっとよく検索すると、「小さな細い花序(葱坊主)から白い皮が破れて蕾が出て、一緒にムカゴも出る」の順序になるらしい。
ムカゴって実のことかな、小さな茶色の玉が丸くまとまって可愛らしい。
採ってきた数本の内の1本は、丈も長くてムカゴの玉がしっかりしているから、他のものもそういう形になるのだろう。
ニラに似ているようだが、ここではニラの葱坊主も見られないので、都会育ちには違いは分からない。
花も似ていて6弁花だが、緑の筋が入っていてまとまって咲くのですぐ分かるとか。
それにムカゴはつかないらしい。
ムカゴと言うと思い出すのは、世田谷での山芋の蔓になっていた「むかご」だ。
前のお宅のフェンスに、蔓が伸びて秋には小さな玉が一個ずつついてていたことを。
丸い茶色の形は小さいし、丸く固まっているので雰囲気は別物。
このムカゴのあいだから花の蕾が伸びて咲くのだとか。
一説では『ムカゴだけのものや花が沢山咲くもの、一緒になるもの』と様々だそうで、固体によるらしい。
そして、根の玉での繁殖もあるが、ムカゴが散って繁殖もするらしい。
つまりムカゴは実ではなくて種なので、山芋と一緒ということだから、食べられるのかも知れない。
ちなみにムカゴの漢字は「珠芽」と書くようで、実では無いのかも…。
食いしん坊のユフィは、山芋のむかごを炊き込みご飯にしていたから、野蒜のムカゴも「食べられるのかな」と思ってしまったが、何処にも書いてない。
野草で中毒は困るし恥ずかしいから、食べることはやめておこう。
でも、たった一つのとても大きな玉なので、「エシャロット」と一緒にジャックの酒の肴にした。
最後に野蒜の花言葉は、「胸のたかまり」「タフなあなたのことが好き」「慶び」「高まり」だそうだが、意味が分からない? |