 ジャックのレポート
おいしいお米がやってきた
世田谷に住むジャックの家族ですが、お米は２０年もの間、渋谷の富ヶ谷にあるお米屋さんから届けてもらっています。サーヤの学校の関係で数年、富ヶ谷にすんでいて、そこで取っていたお米がとても気に入っていたからなのです。我が家のユフィとサーヤのご飯へのこだわりは大変なものがあります。
こんなことがありました。数年前までジャックとユフィは全国の家庭料理を取材して記事にする仕事をしていて、毎月のように地方取材をしていました。新潟県の取材で長岡を訪ねたおり、取材が終わってその足で山形に向かった時の事。駅弁を買って乗り込みました、ジャックは弁当より酒ですが。食べ始めたユフィが突然“うーん、このご飯はおいしいわ”と言ったのです。フツー、駅弁食べると、おかずが地元のもので珍しい、とか、きれい、とか、初めて食べた、とか、まずはおかずに気をとられるものだと思うのですが、真っ先にご飯のおいしさに感心したのには、感心したものです。
こんなことがあります。我が家で夕ご飯のとき、ユフィが時々、最近はワリと頻繁に、炊飯器のスイッチを入れ忘れ、食事の時間にご飯が炊けていないことがあります。ジャックはおかまいなしに、自分のおかずで晩酌はじめますが、サーヤは食事が始められません。フツー、こんな時はとり合えずおかずをつつきながら、ご飯が炊けるの待つものだ、と思うのですが、サーヤはご飯がないとおかずが食べられないのです。自分の部屋に戻って、炊けるの待つのです。主菜と副菜が逆転しているのですね。
そのご飯。富ヶ谷のお米屋さんも、世の中のご多聞にもれず、町での個人商店が立ち行かなくなったのですね。廃業すると聞いて、二人の落転ぶりは大変でした。とり合えず、取り寄せられるだけのお米は注文しましたが、まあ、いずれは底をつくもの。
その後、福島に何か役立つのだったらと、ネットで調べたりして、いくつかのお米を取り寄せていましたが、どうもイマイチのようす。取ったお米の出来、というより馴染んだ食感がなかなか馴染めないのでしょう。なんて、ジャックは他人事のように書いていますが、夕食の時ユフィから“今日お米か変えたんだけど、あなたは分からないわよね”なんていわれる始末。そんな言い方ないじゃないの、と言いたいところですが実際分っからないんだから、しょうがない。その度“不味いって言ってるわけじゃないからいいでしょ”てなお返事の繰り返し。
そんな折、昨年まで勤務していた病院から転職。その際に、当サイト「納戸」の『餞別 そして 錫』でご紹介しているのですが、看護師のＹさんからすてきなお餞別を頂いたのを機に、お礼のメールを何度かやりとりしていて、ご実家が長野県の諏訪で米農家を経営している事がわかり、例によって、サーヤがネットで調査。そして、期待を込めて、注文いたしました。
例によって“あなた、違い分かる”っていうユフィの一言で、試食が始まりました。わたしの食感は信用されていませんので、ここはサーヤがレポートすることにしました。
 サーヤのレポート
サーヤもジャック父に似て味覚が男性レベル(繊細な味まではわからない)なのですが、お米ばかりはこだわりがあるのでユフィ母ほどではないがある程度はわかるつもりです。(わかりづらい自己紹介)
長年お世話になっていたお米屋さんから取り寄せていたお米は、その店のブレンドオリジナル米でした。なので廃業されたらもう二度と食べられない味なのです、それだけにユフィ母と私の落ち込みは激しかったです。
ならばと私たちが求める味に近いお米を見つけるためのジプシー生活が始まりました。(ジャック父は味がわからないので黙って付き合うのみ)
この機会だから、東日本大震災への援助にもなるようにと福島のお米を取り寄せてみました。
放射能の心配はしていません、あの事故から放射能検査が厳しくなっているので事故前よりも安全性が高くなっているだろうと思っているし、福島はけっこう広い地域なのでほとんど影響のない土地は沢山ありますし。
さて福島のお米を２種類食べてみましたが「甘さが足りない」「味が薄い」とそれぞれ一袋のみで終了。
ここで初めて気づいたのでずが、長年食べてきたお米屋さんのブレンドオリジナル米は甘みが強かったらしい。あと固めで、もちっとして歯ごたえがあるタイプだと気づきました。
この後もいろいろなお米を食べましたが、総じて「甘さが足りない」「水分が多い」「柔らかい」と満足できず。
仕方なく福島にこだわらず各地のお米を試してみます。
 
●数々の米ジプシーの痕跡
何とか「美味しい」と合格点が出せたのは山形の「つや姫」。スーパーとかで広く出回っている有名な商品です。
まだ満足できない点は「まだ甘みが弱い」「細長い形なので触感に違和感あり」。
でも総合的には美味しいお米だしスーパーで手に入りやすい点でも「つや姫」はおすすめですね。
ジェイエイてんどうフーズ
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どうやら私たち好みの「甘さ」を備えているお米は滅多にないらしい。
知人の紹介で、大和ネットワークの通販から長野のお米を取り寄せようとして、間違って福島のお米が届いしまい、まぁこれも試してみるかと食べてみたら「あ！これが好みの甘さのお米だ！」と味に満足できるものでした。
ただ、水分が多くて柔らかいのが難点…サーヤは水分少なめの固くて歯ごたえのある米が好きなんです。
でも味が最優先だし、福島だから被災地への援助にもなるし、…というわけでジプシーの旅も終着地点としました。
ある日、ジャック父が勤めていた病院の看護師さんの実家がお米の農家で、紹介していただいたのでこちらも試してみることに。
長野県の宮坂ファーム 「ゆめしなの」
ホームページはこちら。http://www.lcv.ne.jp/~myfarm/
普通栽培米と有機質肥料栽培米の２種類があり、お米にこだわりのある私たちは多少高くても質の良いものを…と思って有機質肥料栽培米の方を取り寄せてみました。
この違いは、ＨＰの解説によりますと…
「普通栽培米」・・・一般的な栽培方法で作ったお米。
「有機質肥料栽培米」・・・ワラ、鶏糞、菜種粕などの有機質肥料を使っている。
どちらも減農薬栽培だそうです。
ちなみに古代米、玄米、米粉、もち米なども生産しているようです。
２回目に取り寄せた時、サービスで珍しい紫ジャガイモをいただいたので、ユフィ母が別記事に書きました。こちら→「宮坂ファームさんからのプレゼントは紫芋」。
さて食べてみたところ。
説明にあるように「ほのかな甘み」なので、強めの甘みを長年食べ続けていた私たちには「さっぱりタイプだね」という感想だが、炊いたお米が固めで歯ごたえがあるタイプで、食感が非常に私好みだった。
(炊飯器との相性の問題なのか、炊くと少しお焦げがつくが、サーヤはお焦げも好きなので気にしてません)
味は大和ネットワーク通販の福島お米。
食感は宮坂ファームの長野お米。
これを一つにできたなら…！！
と思っていたら、ユフィ母がどこかからお米の食べ方情報を得てきて「朝や昼はさっぱり味のお米で、夜はしっかりした味のお米を食べることで満足感が得られるとのことだから、この二つを取り寄せて使い分けて食べればいいかもしれない」とのこと。
ああ、その手がありましたか。
もしくはおかずに合わせて使い分ける手もありますね。(カレーなら宮坂ファームのお米かも)
というわけで、ようやくお米ジプシーは理想郷を見つけて地に足を下ろせそうです。
めでたしめでたし。 |
