2016年9月24日 ヒスイは日本の国石に決定
ヒスイとは、広い意味で「緑の石の総称としても使用されている」らしい。
西洋では宝石として扱われないが、日本や中国では古くから珍重されてきた石で、翡翠と呼ばれている。
日本では、縄文の時代から勾玉として大切にされてきた。
新潟県の糸魚川がその産地としては古来から有名で、約5億2千万年に出来たらしく「世界最古のヒスイ」として、世界的にも有名なんだそう…。
5千年前の縄文時代、装飾品として交易していたというから、そのヒスイ文化発祥の地としても古いのだという。
「日本の国石」としては最適ということ。
でも日本国民としては嬉しいけれど、なんだか複雑…。
その理由は「日本国民がヒスイを愛用していない」ということ。
理由はズバリ、物凄く高価なのだ。
国内では、最高級品の『琅玕・ろうかん』は、殆ど市場には出てこない。
現在の宝石の中では最高のものになってしまっていて、大金持ちの金庫深くにしまわれてしまった宝石なんだとか。
ヒスイには様々なもの・色がある
翡翠の翡はカワセミの「オス」翠は「メス」の意味で、緑の美しい羽の色に因んでいるのだとか。
「翡翠」という漢字で、カワセミと読むこともあるほど。
硬玉(ジェダイド)のみを翡翠と称し、宝石とされているが、他にも軟玉(ネフライト)、キツネ石、日高ヒスイ(北海道・日高のクロム透輝石)などの美しい石があるらしい。
宝石として扱われる硬玉(ジェダイド)は、「ヒスイ輝石」に分類され、硬度も6.5から7と硬く、半透明か不透明。
本来は白いものが多く、紫、青、赤、橙、黄、黒などもある。
ミャンマー・カチン州、新潟県などの限られた地域でのみ産出され、良いものは非常に高価。
硬玉(ジェダイド)と軟玉(ネフライト)
軟玉(ネフライト)は「角閃石の一種」で、緑色から暗緑色。
硬玉に比べて色彩が劣り、硬度は6~6.5と柔らかく、中国西域、台湾、カナダ、ニュージーランド、シベリアなど世界的に分布していて、価格は当然安価になる。
中国では古くからヒスイを玉(ギョク)と呼び、彫刻や宝飾品に利用していたようで、その殆どが軟玉とのこと。
18世紀にミャンマーで硬玉(ジェダイド)が発見されてからは、硬軟をはっきりと分けるようになったらしい。
中国最後の女帝・西太后が、硬玉が好きで集めていたらしい。
有名な『翠玉白菜』は、白と翠の混じったヒスイ輝石で、掌よりやや大きな彫刻、台湾台北市の故宮博物院に収められている逸品。
白と翠と濃い緑の天然石を巧みに利用して彫られており、白菜にバッタとキリギリスを元々の原石のまま巧みに彫り上げていて、同博物院の代表的な名品として知られている。
昔はよく海外に出掛ける度に、何か「宝石」を購入するのが楽しみで、中国に行った時はヒスイ専門の店にも行った。
あまり高価ではない翡翠が、たくさんショーウィンドウに並んでいたのが、流石は中国と言う感じだった。
翡翠としての最高級品は、別に扉付きの特別フロアに納めてあり、とても見ることもできない雰囲気。
友人の土産に小さなリングと、ユフィ用には中位の紫のラベンダーヒスイのリングを購入。
まだ「ラベンダーヒスイ」が、現在ほど流行る以前で、二つしかない内の一つを求めた。
もっと大きな色の良いものを手に入れたとき、知人に譲った(思い入れがなかったんだろう)。
街中の露天商でも、紫色の石札に彫刻を施したお守り風のものをたくさん見かけたっけ。
20年以上も以前の話、今は露天商は居ないみたいでちょっと寂しい。
昔の中国はよかった!
ユフィのヒスイは高価なものは無い
ユフィが持っているヒスイは、母から遺された濃い緑のリングだけなのだが、後年本当の翡翠に接してからは「これ、ジェダイドではないのかも…」と思うようになっている。
ただ、小さいながら厚みはあるし、太陽光線に透かすとムラもあるので、色が濃いだけのことかも知れない。
ニュージーランドに旅行の際には、ネフライトを免税店でお土産用にたくさん購入した。
宝石関係に詳しい知人に、「大きさより色の綺麗なものを」とアドバイスされてのこと。
ネフライトの価格は大きさで決まるので、小さめでともかく透き通って見えて綺麗な緑色をひたすら探した。
金メッキの枠が付いたイヤリングがその時のもの。
知人は土産のイヤリングを、メレダイヤで取り巻いたピアスに作り直し、知らない人には黙っていて「凄い!」と言わせたらしい。
それくらい、色味ではわかり難いものなのだろう。
実際に『翡翠・ジェダイド』を知らない頃、知人達に色味を聞いたとき、偶然身に着けていたイヤリングが「そっくりこの色」と言われたのが、大き目の燻し金台のイヤリング。
これは、結婚20周年にデパートで購入した、石の種類は分からない。
2つの色が微妙に違うから、イミテーションではなく天然石だろうとは思うのだが…。
一つは緑色が少し濁っていて「アップルグリーン」に近く、もう一つは少しだけ透明感があって、この方が翡翠に近い?
大分後年に、博物館などのコレクション「翡翠展」などで、最高級品の『琅玕・ろうかん』をじっくり見たことがある。
中国語で、「意味は青々とした美しい竹」のことらしい。
透明度が高く、不純物や石目(クラック)がほとんどない極上の翡翠なのだとか。
とても主婦では手に入れられないほど、高価になるとのこと。
先に書いた『翠玉白菜』は2回ほど目にしたことがあるが、この白菜の翠部分が「琅玕」と呼ばれるもののように思う。
俗人のユフィには、この翡翠の部分で「何個のリングが作れるのかな」と思ってしまった。
どうせ手には入れられない翡翠なのだから「ニセモノでも良いか」と思い、ある駅構内の出店で手に入れたのが、大きな透き通った明るい緑の石のリング。
ちょっと大きすぎて実際には身に着けることは無いのだが、クラックが目だち「とろんとした半透明の緑」にはとても遠い。
実際に友人が手に入れたので、触ったことはあるのだ。
近年はなかなか市場には出ないとのこと、もう物凄い貴重な宝石になっているらしい。
ネットで見つけた最上級の翡翠 価格は?
ただ、ネットサーフィンで『注意』も見つけた。
クラックも色むらも無い綺麗なグリーンの石が出回っているのだとか。
強酸などで漂白した後に樹脂を浸み込ませ色が濃く見えるように加工されているものや、白色のヒスイに綺麗な色を着色したもの、水晶などを染めて似せたものもあるらしい。
非常によく似たものでは「玉髄・カルセドニー」や「クリソプレーズ」「アベンチュリン」と言う石もあり、ヒスイはそれこそ多種類あるようで、「翡翠で琅玕」と言う特級品は市場には出てこないのだそうだ。
しかも同じ色合いで大きさも同程度など、複数ある場合は殆どが安価なヒスイを加工処理したものらしい。
調べれば調べるほど気の滅入る話なのだが、翡翠は基調とされる翠に次いで「紫・ラベンダー」が評価が高いようだ。
ユフィの持っているヒスイでは、大き目の手作り加工してもらったラベンダーのリングが高価なものになるのかも…。
大事にしないと、ね。 |