ユフィの記事
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遺影は何時撮るのがベストか?
我が家では誕生日毎に撮っていた
遺影は、お葬式の際に祭壇に飾られる写真のこと。
出来れば、なるべく最近の写真が良いのだが、急な場合は困るものらしい。
中には、若い綺麗な写真をあらかじめ用意する人もいるようだが、何十年も若くては興ざめだ。
最近は用意周到に、写真館で写す人もいるらしいが、60代くらいならまだしも、90歳近くにもなると改めて「写真を撮る」と、「自分の葬式用」だと気づいて本人は面白く無いかもしれない。
いくら歳をとっていても、自分から「写真取って置いて」とは、言いにくいだろうし…。
我が家では、何でも知っている知人に相談して、85歳過ぎからは、毎年「誕生日祝い」の席で写真を撮っていた。
母は多分気づいていただろうが、キチンと身支度を整えてから、食卓に着く前に撮影することに異は唱えなかった。
葬儀の写真は、前年の91歳のとき
のもの。
ワンピースはユフィの手づくりのもので、薄紫の地に黄色の濃淡の花びらが散った春にふさわしいもの。
打ち合わせが深く斜めになっていて、黄色のパイピングがポイントの上品な仕上がり。(こういうのを
自画自賛
といいます。)
パイピングが難しかったのを覚えている。
撮影は2階のサンルームの長いすで、出窓には母が好きで飾り立てた造花がいっぱい。
端っこに濃い紫の蘭の花が、ちらりと見えている。
この写真が、祭壇用にブルーの背景になって飾られると、見事に遺影になったし、心なしか、笑っているようにも感じられた。
選ぶのに、前年の写真と限ったので難しくは無かったが、範囲を広げていたら迷っていたかも…。
遺影と同じワンピースを、お棺の母に着せ掛けたから、白装束は隠れてしまったけれど、「お別れのとき」の花々に囲まれた母は、遺影の微笑みを残していたようにも感じられた。
自己満足かも知れないが、逝った者は思いを伝えることは出来ない。
残された者が満たされることが、葬送の思い出
というものだろう。
葬儀社が全て手配を整えてくれるから、ただ任せているだけで万事は進んでいく。
遺影の写真も後で額を普通のものに入れ替えて、壁に掛けられるようにしてくれた。
また、小さな写真立ての遺影は、法事の際の会食事に持参して、飾らせてもらった。
今は、2階の母の部屋の床の間に、額入りの大きな遺影は掛けて、小さな遺影は仏壇の中に収めている。
朝の熱いお茶を供えるときは、眼の前の遺影に話しかけ、通るときには大きな遺影に語りかける癖がついてしまった。
きっとこのまま何年も続くのだろう。
ジャックとユフィは、母と同じ「葬祭互助会に入会」したけれど、まだ遺影は早いかな?と思ってはいる。
遺影用の写真撮影は、
80歳すぎからで良い
と思うがどうだろうか?
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