売り出すにも様々な手続きが…
不動産会社と測量会社は決定した。
売買契約も「専任媒介契約」でお願いすることになる。
なにしろ始めてのことだから、何が有利で何が不利なのかはチンプンカンプン状態。
頭にあったのは、「外見のみで決めてもらえること」の1点のみ。
マンションだとそうは行かないが、建物は自分好みにしたいから土地だけ購入する訳で、家の内部の確認は要らないのだ。
書きながら調べてみたら、初めての不動産売買は「一般媒介契約」の方が良いとネットには出ている。
他の業者に重複して依頼ができない、MST社とだけに交渉は任せることになる。
3ヶ月毎の契約で、早く買い手が現れれば短いお付き合いで終わる。
そして、売り出すと同時に様々な手続きが必要になった。
まずは我が家の境界線の確認手続き。
境界線の確認
右隣はこれから延々ともめ続けるF宅、左隣は「O荘」と言う1階が3軒のワンルームで、2階は大家さんの居室と言うアパート。
裏の二軒が「新築したばかりのH宅」と「M宅」で、古い塀で仕切られている。
・ちょこっと見えている右下の塀
この塀がとても古く、新築建売で販売された我が家よりもずっと以前、裏の古いH宅があった前からのものらしい。
「H宅」と「M宅」で建て替えの際にも境界線でもめたことを聞き、不安になってしまった。
ともかく何事もスムーズには行かない世の中、我が家の住み替えも前途多難?
そんな不安を抱えながら、3月下旬の土曜日、お隣のF宅の奥さん、O荘オーナー(現在は別区に移転)のご夫妻、裏のH宅のご夫妻、M宅の旦那様にお出でいただいての境界線の確認を、測量士さん立会いで行った。
後日、測量会社作製の書類に印をもらって完了。
のはずが、F宅の奥さんが納得せずに印がなかなかもらえない事態になる。
結局は測量士さんの働きもあって、なんとか印はもらえるのだが…。
その前に大騒ぎが…。
売れる!止めた?の騒動
休日の晩突然の電話、担当のH氏からで、すぐ伺いたいとのこと。
「買いたい人が現れた」らしい。
あまりに早い対応に、なんだか落ち着かないが「悪い話ではない」らしい。
「30代の若い夫婦」が、申し込んできたのだそう。
聞けば「解体費用を含めて7065万円」「3000万は自己資金」「ローンを組むだけの力量がある相手」だそう…。
6月26日に引越したいそうで、なんだか急いでいるみたい。
30代で7.000万台の土地を購入?
凄いなあ、尊敬しちゃうね。
ただし、これが「金は出すが口も出す」当然なこと。
まずはお隣に報告、だって「隣の杉の木、伐採が条件」なんだって。
今までにもこの杉の木は頭痛の種だったけれど、ここでまた問題だよ…。
・左上にチラリと見える杉と隣の家
担当のH氏は、「僕が鋸でサッサと切りましょう」なんて能天気に提案しているけれど、そうは簡単に行かない…。
翌日デパートに飛んでいき、虎屋の羊羹セットを携えて隣家のH宅に伺う。
杉の樹のことは渋々で嬉しくは無いみたい。
特に担当のH氏が切ることにはご不満らしい。
で、この件を伝えたところ「ご破算」になってしまった。
「隣の家の樹」と「気になっていた私道の件」の2つ重なって買い気が失せたんだって…。
まったく『嵐の如く来て、嵐の如く去る』だね。
だって、売れると読んでいた担当のH氏は、豊洲の中古マンションのコピーを沢山持ってきてくれたので、検討を始めていたからガッカリ…。
突然の担当さんの変更
その後はもう大変!
お隣に「破談」になったことを知らせに行った顛末は「トラブル」で書くことにして、振り回されっ放しの家族の下に、更に1本のお知らせの電話…。
H氏が「4月の編成の転任で、世田谷営業所に移る」とのこと。
サーヤがネットで我が家の売却の件を確認、買主が現れてからネット上から消えていたからだが、即日復活していたらしい。
引継ぎは、落ち着いた中年のO氏。
H氏は現れず、O氏だけが挨拶に来た。
う~ん、知人曰く「不動産関係では普通のこと、上手く行かない場合はすぐ交代するのだ」とか…。
若手のバリバリから、物慣れた中年の落ち着いた対応のO氏に代わってからが長かった…。
後日、H氏から「報告書」が送られてきて、売買価格は50万円下げたままで新しい契約書にサインした。
つまり3ヶ月経っているということ。
春の気配が濃厚になった時分ですね。
しばらくは待ちの状態
その間に、各部屋の整理は着々と進め、無料ガレージセールに出すものも変化した。
庭の植え木類は、ジャックが持って行きたい分だけになっているから、すっきり片付いている。
その分、お隣のH宅は、とても賑やかで我が家の鉢で満載状態。
細々としたアクセサリー類で高価なものは、角の協力的な奥さんに「お嬢さんに差し上げて」と託した。
そして、暑くなるので無料セールはひとまずお休みにする。
その間に「土地境界確認書」が測量会社から届き、周りの4件から印をもらう。
この場合もF宅が、なんだかんだとごねて大変。
どうやら、特許の弁護士の旦那さんにいろいろと知恵を付けられているらしい。
男らしくない男だねえ、自分では出てこないで女房に言わせるなんて…。
そして、ごねているH宅だけ残して3件の印は収まった。
これからが「波乱の展開」になるのだが、それはまた別の機会に…。
そうこうしている間に、夏は8月半ばになっていた。
私道の件片付けなくっちゃ
我が家の前の道路は広く(4m)、舗装で一応固められてはいる。
車の出入りも便利だし、我が家の庭は今では植え木だらけの庭になっているが、元々は車が1台入る駐車場なのだ。
・雪の日の私道 区道に出る方向
我が家はこの私道の奥から2件目、かなり奥まっているので私道の配分が細かい。
業者の見積もりで『駅から2分』と書かれていて、驚いたのだが100mで1分の計算なので、100m以上あると徒歩2分になるそうな。
我が家の感覚では徒歩1分なのだが、厳密に計算すると徒歩2分なんだって…。
で、この何十メートルかの間にの私道には、左右に建てられている家々の私道持分が何件もあるのだ。
しかも現在住んでいない貸しビルのオーナーも居たり、外国に住んでいて連絡が難しかったり、入院中の一人住まいで連絡がとれなかったり、何やかやで全部の印をもらうのは至難のこと。
以前に、同じ私道面の焼き鳥屋さんが「私道を全部綺麗に舗装してもらおう」と考えて、印をもらおうと動いた結果、諦めたという経緯がある。
これは大変かも…。
・突き当たりはまだ新しい一軒家
なにしろ決まりかけた話が駄目になった原因のひとつが『私道問題』なのだから、このことはキチンと片付けておかないといけない。
調べた結果、近くで回れる方が殆どなので、測量会社には遠方の何件かにお便りを出すか、訪ねて行って印をもらうかしてもらうことにして、残りは私1人で行くことにした。
1軒ずつ、挨拶代わりの菓子を添えて訪ねて回る。
皆さん、同情してくださっていて、すぐに印を押してくださったから『母のお陰・母の生前の対応がよかったから』と思った。
お向かいのK宅では「たいへんねえ、頑張って」と励まされた。
このお宅は元もとの地主さんで、親族が何人も私道権利を持っていたので、海外や北海道に住んでいる人の分も印をおしてくれて、本当に感謝に耐えない。
この辺はKさんと言う大地主の土地で、梅林が広がっていたらしい。
以前のSさんの貸家にも、梅が3本あったし、お隣にも1本残してあった。
現在の名残は、道を1本隔てた向こう側の古い家の庭に、2本残っているだけ。
最後にF宅に伺い、「皆様には快く印を押していただけたので」と伝えると、「さすがですね、ご人徳です」だって…。
あんたに言われたくない、全部母の人徳というもの。
さて、F宅との攻防は、また日を改めて…。 |