ジャックの記事 |
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里子でやってきた 成人 君子蘭
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君子蘭 濃き葉の上で 橙(だいだい)に
学名『ノビリス』(高貴な)からの直訳といいます。
直径40センチあまりの素焼きの鉢に、しっかり根を下ろす君子蘭、5年前、お向かいに長年住んでいたSさんが、借地の立ち退きにあって、“あなたが育ててくれないなら、捨てるしかない”と半ば脅されて引き取ったもの、4鉢他。
大きな桜の樹の下で、夏は陽をさえぎり、冬は陽を浴びながら風を避け、君子蘭の育つ特性を生かして、毎年花を、垣根越しに眺めていたものです。
ジャックの実家でも、子供の頃から父が大切に育てていたようです。明治の頃には日本に入ってきた、オールドフラワーですが、なかなか一般の家では育て切れなかったようです。父は盆栽派だったのですが、この花の面倒は良く見たそうです。 冬でも、日中は陽の当たるところに出し、夕方には取り込む、ということでした。
当時、ジャックの子供の頃は、広い庭がありましたが、今のように、種苗が豊富だったわけでもなく、花は地植えのものがほとんど、覚えているのは、高い樹の石榴(ざくろ)に咲く赤い花、木瓜(ぼけ)、雪ノ下、山吹、ツツジ、ダリアぐらいのもの、しかしダリア、この頃は「ダリア苑」にでも行かないとなかなか見られなくなってしまいました。
ところで君子蘭。ふつう、花の蕾、といえばかわいらしいものの代表、ふっくらとしてきて、淡い色が付いてきて。ところがこの花、蕾が、広くて大きな、濃い緑の葉の間から、顔を出し始めたそれは、ゴリラが歯をむき出したようです。いや、ゴリラに失礼、かわいくないことはない。観てください、でしょ。
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