1回は母の生前なので4~5年前、電話で「税金の払いすぎ」とのことで、携帯と通帳・カードまで持って銀行へ。
もう1回はつい最近。やはり電話で「警察です」との電話。
税金と警察と聞いたら、信用したくなるのが年寄りの心理。
よく考えている。感心してしまう。
応対もソフトで真面目そうだし、両方ともに母にかかった電話なのだが、そういうことを想定して「なんでも契約してしまう」ので、10年ほど前から電話を母の部屋から私達の方に移しておいたから、
母への電話は全て私のほうにかかってくる。
「税金の還付」については、母のものだし、私が替わりに行こうと銀行へ。
銀行のATMの前で携帯で連絡。
相手の言うとおりに番号を打つ。
「通帳の残高は何桁ですか」と言われて「変なこと聞くなぁ」と不信感。
しかも相手先の振込み番号を「振り込み金額のところで打て」と指示されて「おかしい」とやっと気づいた。
「おかしいから止めます」と携帯を切ると、周りの人たちから「そうだ、おかしい」との声。
それはおかしいでしょ。
携帯での指示で操作しているのだから。気がつかない私も私。
すぐその足で信用金庫に向かい、事情を話して相手の電話番号も伝え、通帳の暗証番号も変更。
やれやれ、ジャックには「今朝のニュースでやっていただろ」と怒られるし、馬鹿みたいだった。
今年早々の詐欺の電話は凝っていた。
「警察です。中国人の窃盗グループが逮捕され、山下名義の貯金通帳とカードが盗品の中にありました。」
なんだかありそうな話でしょ。中国人の窃盗グループなんて。
「母は2年前に亡くなりましたし、盗まれたという話も聞いていません」と返事した。
ここからが上手い。
「管理はあなたがなさっていましたか」と言うのだが、探っていたのだろう。
「山下名義の通帳があれば、すぐ振り込みますが」と言う。
「処分したと思いますが、探してみます」
「では、午後また電話します。探しておいてください」と言うことだったが、残高は10万以上というのも上手い。
1~2万くらいなら、面倒だけど10万なら「7回忌をやれる」と思ってしまったから。
で、少し経ってから「振り込め詐欺の新手か」と疑問が。
そして電話はかかってこなかった。
「郵便局では、山下名義の貯金通帳の確認が取れています」と言うのも殺し文句だろう。
お年寄りが何千万も引っかかっているのは、見事な詐欺の証拠で、「金のないものは引っかからない」と思っていたが、様々な手口があることを実感した。 |