やましたさんちの玉手箱
ユフィの記事
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晩秋に揺れる真っ赤なカラス瓜の実

カラスウリの蔓と実と葉
夏の夜に咲く白い花を見たことありますか

そう、都会では非常に珍しい植物になってしまった。
実が赤く目立つので見たことがある人も多いかもしれないが、花を見たことがある人は少ないと思う。
我が家の近くに古屋がそのまま残され、広い庭は草茫々の状態という所があった。

犬の散歩で度々通った際に、「白いカラスウリの花」には気づいていた。
夢のようなレース状のとても綺麗な花で、しかもかなり大きい。
五弁の真っ白な花のふちに、白く細い網状のものが伸びて広がる、とても不思議な形状の花だった。

描けたら描きたいのだが、夜間にしか咲かないという特殊な花のため、指導してくれる先生無しでは描けないユフィには、残念ながら非常に難しかったのだ。
夜間咲くのは、媒体のスズメガを呼び寄せるためらしい。

夏の夜に人の住まない古屋で、懐中電灯を灯しながらの写生は、絶対に不審がられるだろうし、蚊にも悩まされるだろうし、お勧めの作業とは言えない。
10何年以上も昔の話、今だったら小さなカメラで写す方法もあったのに…。

仕方ないから、その年の秋深くなって、実が赤く熟すまで待ってから採取した。
直径5~7㎝の卵型で、濃いオレンジ色や朱色になるため、冬枯れの枝などから
蔓でぶら下がった状態が、非常に目立つ。

昨年、駅近くの線路脇の電柱に、赤い実を発見して心躍ったのだが、カメラを携えて行ったときには、キレイに根から撤去された後だった。
今年は蔓が這っていないから、根ごと処分されたようで、非常に残念…

原産地は中国・日本で、本州以南に自生する雌雄異株の蔓性植物。
別名は「玉章(たまずさ)・ツチウリ・キツネノマクラ・ヤマウリ」等々。

カラスが好んで食べる、または食べ残したように見えるところからの命名とされているが、その事実は確認されていないそうな…。
中国では、医薬原料として活用されていて、果実・種子・塊根とも生薬に利用するらしい。

ユフィの描き方は、再々に述べているとおり{実物大」が基本だから、この絵は非常に大きくなってしまった。
葉が枯れかけていて、非常に趣のある様子なので、そのまま蔓の下がった状態で描き始めている。

実は小さなものが上の方に一つと、5cm位のとても良い形のものが一つ、合わせて二つなのだが、程よく上下に収まっているの。
朱色のカラスウリがとても鮮やかに描かれていて、巻き毛も繊細。
朱色の実

葉の状態が「枯れかけている茶系」「緑を残して周囲は枯れている」「深い緑の少し枯れ始め」と晩秋の雰囲気が出ていて、先生がとても気に入られた様子。
実物をじっくりと見ながら、スケッチと色彩に注意して描いたのだろうと思う。
枯れ葉
枯れ葉と緑半々
緑の葉

葉の一枚ずつが、秋の深まりを感じさせていてユフィの大好きな絵の一つだ。
多分、もう間近で見ることは適わない植物の一つだろう。
あの古家は新しい3軒の家に建て変わってしまったし、駅近くの電信柱には影も
形もなくなってしまったし…。

我が家の壁で楽しむことしかできないが、でも幸運だったりかも知れない。
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