二度目のスミレはとても小さな絵
昨年の春にもアップした「春の野草は可憐なスミレ」。
ただ単に「スミレ」と言う、拍子抜けの名前だと書いた記憶がある。
学名は 「viola mandshurica 」で、満州産のスミレという意味だそうな。
スミレ科で、原産地は北アメリカ南部、そこから満州を経て日本に入ったのかな。
草丈が10cm~20cmで、花の大きさが1㎝~2㎝ととても小さい。
前回は丈高く花が一つと蕾が二つで、少し大きいめだった。
今回は更に小さく、花も一輪で葉が二枚の小品。
額も小さく、15㎝の四角でシンプル、マットは厚紙の手作りだから縁がギザギザの素人技が丸出し。
絵は更に小さく8×9㎝くらいで、とっても可愛らしい。
花のサイズも2㎝くらい、「99.4.20」のサインがあるから、習い始めて1年くらい経った頃のものか。
とてもしっかりと生き生きしているから、前回のスミレ同様に鉢植えにして教室に持参したものかも知れない。
これくらい小さいと、時間内には描けそうだから、一気に仕上げたものか。
日本の野原で見かけることのできる野草で、都内の土のある道端でも見かけることがあるけれど、気づかない人が大半だろうと思われる花。
花後はとても小さな種を弾くように散らすから、大体同じ場所で次の春2~4月に、また見かけることも多いようだ。
前回も写真を撮った道路端に、群生しているのを確認した。
前にスミレについていろいろと書いたから、今回は描き方について書こうと思う。
前の花は右向きだったのだが、今回は左向き。
唇弁と呼ばれる1枚だけ大きな花びらの奥には、白っぽい筋があるのだが、前には中は見えなかったので筋だけ描いた。
今回はしっかりと満開で中まで見え、しかも奥の黄のしべまでが覗いている。
実際にネットで調べた写真には、濃い黄色のしべが見えているから、間違いはない。
5枚の花弁がキチンと揃わず、上2弁と下3弁に分かれているから、描きやすかったのかも知れない。
一応は各花弁の色合いの違いも出そうとしている様子で、濃紫一色ではないようだ。
花の後ろの距(きょ)も覗いて見えていて、濃い緑と薄い紫で描いてある。
茎はそのままの色合いを出しているのか、濃淡で細かく描かれていて、下に行くほど赤みの強い茶色になっている。
前回の葉は開いた状態だったので、真ん中の葉脈を白っぽく塗り残しているだけ。
あれ、白い葉脈もかすかだが見えているかな?
今回の株は、小さいのだが花としては成長しきった頃なのかも。
赤みの強い茶色の茎、少しつぼみかけた葉、根元の何だか分からない丸いもの(蕾ではないと思う)等々。
小品ながら、結構頑張って描いているようだ。
葉裏の少し薄い緑に、赤茶でキチンと葉脈を描いているところや、左右の葉の色合いの違いまで「頑張ったね」なのだ。
下書きの鉛筆も薄く残っていて、これはこれで面白い。
小品の方が力作だというのは、しっかり見て描いているからだろうか。
前回の絵はあまりに端整すぎて、面白みに欠けるような気がするのは、大分時間が経っているからなのだろう。 |