やましたさんちの玉手箱
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爺さんは偉い 隔世遺伝はあったか

 ジャックの年になってくると、特に若い人の活躍に目を奪われる事が多くなります。ジャックに孫はいないのですが、“こんな孫がいたら頼もしい”と思うことが良くあります。
 最近で目に付いたのが(私は囲碁・将棋をたしなまないが)囲碁・女流本因坊戦で、史上最年少でタイトルを獲得した、藤沢里菜二段でしよう。彼女の祖父は名誉棋聖である藤沢秀行氏。リアルタイムで知っているわけではありませんが、無頼の生活ぶりでも異色の人だったらしい。彼女の父上も囲碁の有段者なのですが、とかく祖父が引き合いに出される若者です。

 これもジャックには縁の無いゴルフでは、高校生の、勝 みなみさんが日本ジュニア選手権を取りましたが、コーチ役は祖父であると書かれていたのを見ました。
 2014年は南京ユースオリンピックが開かれ、日本の有望選手の活躍も夏のスポーツのニュースを賑わせました。中で目を引いたのは卓球で銀メダルを取った、村松 雄斗選手。彼は祖父の卓球教室から活躍が始まったのだそうです。
 いささか古くなりますが、ロサンゼルスオリンピックで金メダルを取った柔道の山下 泰裕さんも、小さいと時から祖父にあこがれ、目標として強くなったと聞いています。「隔世遺伝」と言う言葉がありますが、父親を超えて祖父の血を強く受け継ぐ、ということがあるのかもしれません。

 現在の15歳くらいの年代は、父母が“友達のような存在でありたい”というような家庭環境にあるようです。そして、祖父の年代はいわゆる団塊世代のもう少し上、頑固でこだわりのある年代にもなっているので、孫に当たる年代からは父母を通り越して、見習うべき姿を追うのかもしれません。
 祖父、父母と親子三代に渡ってオリンピック選手(三代目は候補ですが)という家系もすごい。水泳飛び込みの、金戸一家。金戸 華選手は2020年東京オリンピックの有望選手。祖父は俊介氏、祖母は久美子さん、東京オリンピックの選手、父の恵太氏、母の幸さんはソウルなどの代表でした。

 ところで本題、『隔世遺伝』の話。もちろんジャックの。もちろん何も無い、と言う話、じゃつまらないので、爺さんの自慢話でお茶を濁す事に。

 ジャックの父方の祖父は、ある有名な日本画家の指物師だった人です。指物師というのは画家が使用する様々な道具類を入れる函を作る人。文京区の湯島天神下に家がありました。木造三階建ての家で、一昔前はよく雑誌や書籍でも取り上げられていました。この家の二階部分に、大きな『指物師』の看板が掛かっていて、通リ行く人が見上げていく事がよくあったそうです。
 祖父がなくなった後、娘(ジャックのおばさんですね)はここの一階で駄菓子やを長くやっていました。これもよく雑誌などで紹介されていました。
 湯島の家 湯島の家をしょうかいする本
湯島天神下の我が、爺さんの家。この当時は、伯母が駄菓子やを開いていた。店の上に指物師の看板が掛かっている。

三好家の絵の本三好家の絵
同じく、天神下の家、中央が我が家。

 母方の祖父は宮大工だった人です。葛飾の家の離れ家が仕事場で、数え切れないほどの道具、鋸、鉋、などが並ぶ部屋で仕事をしていました。現在実家は二回の建て直しをして昔の面影はありませんが、唯一、姉の居室の居間には、爺さんが作った神棚が残っています。今時、神棚のある家などめったに無い時代。時々実家に寄る時があるときは、眺めてはいるのです。
実家にある神棚
実家の姉の家にある神棚、榊を欠かさないでいるようだ。畏れ多くも神棚なので、手に取ったこともないし、触った事も無い、時代感じさせる色合いになっている。

 そして、ジャックが結婚して実家を離れる時に『形見』として貰って来たのが『見台』。書見台のことで、書物を乗せて読むための台で、邦楽の譜面を置くのにも用いられたものです。以来、私がこの上に本を載せて読んだ事はないのですが、現在、私達の居間にはなくてはならない万能台となっています。
見台
我が家の居間にある、万能台になっている見台。下にあるのはおばあちゃんが使っていた針箱、その左はジャックのお燗のやかんを乗せるホットプレート。上は見ての通り。

見台 そのまま茄子の取っ手の引き出し
見台の下は引き出し、茄子の取っ手が付いている。

柘榴の引き出し柘榴の取っ手
右の取っては柘榴、柘榴の実まで彫ってある。

 この見台、物を載せるだけでなく、下に左右に引き出せる『引き出し』になっていて、なんと、取っ手は左が茄子、右は柘榴の木彫りになっているという懲りようなのです。

 隔世遺伝、で、ジャックは。全く血を受け継いでいない。我ながら、父ちゃん、母ちゃんに不平の一つも言いたくなるほどなのですが。でも父ちゃんは、達筆家でした。年取ってからは、隣家のだんなさんに頼まれて、ある代議士の代書をしていたほど。我が兄弟、みんな字がうまいが、悪筆はジャックだけ。また、盆栽好きの父ちゃんの血は、鉢植え好きの私に移っているのかもしれない。母ちゃんは、また明治の女、女学校出だったせいで、教育ママも真っ青なほどの、教育猛女でした。
三好家家系図
新七叔父が作り上げた家系図。三男・信三郎が我が父。

 ジャック、告白するけど、中学卒業する時の成績、5段階評価の4以下だったのは、図画工作だけ、担任が内申書作るのに、えらく苦労したらしいから。話しはかわるけど、なんてったって、マサムネ君のキャットドア作るときの有様は、当サイトリビング「手作りねこ扉」に詳しいので、そちらをご参考に↓
01 手作りねこ扉 ベニヤ二枚切り
02 手作りねこ扉 襖切り
03 手作りねこ扉 障子切り
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