やましたさんちの玉手箱
サーヤの記事
読切
TOP > リビング > 家庭の事情

実印と認印のハンコ(印鑑)を買うときのポイント

えー、実はこのたび、サーヤは姓を変えました
と言ったら大抵の方は結婚か離婚かと思うことだろう。実際、姓を変えるにあたって、色んな手続きをしていたら「ご結婚ですか」と発言された方もいたし…。
いえいえ、15年前に母方の祖母と養子縁組して名字を変えたが、5年前に祖母(養母)が亡くなったのでそろそろ…と旧姓に戻っただけである。

というわけで、戸籍や銀行など様々な手続きを行わなくてはならない。
それらをするにあたって、まず最初にするべきなのは「ハンコ(印鑑)を買う」こと。ハンコがなければ何の手続きもできないし。

さて、どんなハンコを買おうか…。
サーヤはこれまで、大抵のハンコは文房具屋で買ってきていた。1本だけ印鑑専門店で作ってもらったものがあるが、それは養子縁組をして不要になったので親に譲り渡していた。
その譲り渡したものを返してもらえばよいのだが、せっかくだから新しいハンコで心機一転したいものである。(べつに結婚も離婚もしてないので心機一転もないのだが)

そんなわけで、実印と認印の二つを買おうと決めた。

●実印
世界に一つしかないデザインで彫ってもらう、本人を証明する重要な印鑑
1人1本しかもてない。
用途 法律関係、不動産登記、銀行、保険などの重要な契約に使用する。
手続き 役所で実印登録して印鑑証明書を発行してもらう必要がある(印鑑登録カードも発行される)。
ただし、市町村によって「姓のみ」の表記を認めない場合があるので、実印を購入する前に調べる必要がある。
表記 基本的にフルネーム(姓と名)を彫る。
結婚などで名字が変わる可能性がある女性の場合は、下の名前のみで彫る場合も多い。
名字のみとする場合は市町村で認められているか確認する必要がある。
書体は自由だが、「実印」という用途から複製が困難な「印相体」が主に使われる。
サイズ 実印に好ましいサイズとして、以下がすすめられている。
男性 : 16.5~18ミリ
女性 : 13.5~15ミリ
注意 絶対に(家族であっても)人に貸すな!譲るな!無くすな!

●認印
家庭や職場でサイン代わりに使う日常的な印鑑。
文房具で販売している既製品も認印となる。何本持っても良い。
用途 家庭では宅配の受け取り、職場での公的な書類など、頻繁に使用するものに使う。
ただし、銀行や契約関係などで後日に「捺印した印鑑の陰影の確認」が必要になる場合には使わないこと。
手続き 特になし。
表記 基本的に姓のみ。
書体は「認印」という用途から、誰でも読み取れる「古印体」「隷書体」「楷書体」が好ましい。
サイズ 認印に好ましいサイズとして、以下がすすめられている。
男女ともに : 10.5~12ミリ
注意 同じ姓なら家族が共有しても良い(それ以外の人には貸さない・譲らない)。無くしても何度買い換えても問題ない。

他に「銀行印」という印鑑もあるが、実印との違いは「役所で実印登録をするか否か」くらいなので、実印で銀行印も兼ねるサーヤは不要とした。
(実印まではいらない…と思う方は、銀行印と認印の二つがあれば良い。ちなみに銀行印のおすすめ書体は自由、サイズは実印と認印の真ん中あたり。)

上記の用途から、実印は自宅に厳重保管、認印は職場で使用することがあるため持ち歩くことにする。

しかし、いざハンコを買おうとして、困ってしまったことが。
印鑑専門店で作ってもらったのは20年以上前。そのハンコ専門店は閉店してしまっている。他に専門店を探すにも、数は少なくて訪れるのも大変だし、いざ訪れてみたら休業・閉店・移転だったりする。
逆に、ネットではハンコ通販が大量にあり、様々な材料もデザインも機能も使えたりと非常に便利だったりする。
印鑑をネット通販で買うのはいささか抵抗があったが、時代の流れというものだろう…。

そんなわけで、じっくり吟味してネット通販でハンコを買った。
実印入りケースと、認印入りケース
左が実印、右が認印。

サーヤが実印に選んだ材料は「黒水牛」
黒水牛 横から見た図黒水牛 上から見た図
ご覧の通り、真っ黒の重厚な感じで、とてもカッコイイ♪
木材ではなく角なので、手にするとズッシリとした重さがあって何だか頼もしい(笑)。
印鑑の材料は非常に豊富で数十種類とあるのだが、その中で黒水牛に憧れていたのである。いかにも実印って雰囲気でもあるので、この機会に購入してみた。

ちなみに黒水牛でもランク付けがあるので、購入される場合は以下を参照されたし。

角の中心部に神経のように走っている小さな筋を「芯(しん)」と呼びますが、この芯を中心に加工した印材が、いわゆる「芯持(しんもち)」です。


湾曲した角の中心部の芯にそって、直線的に印材部分を採取します。
芯がまっすぐ通っている部分からは、芯が中心を通る良質な印材を採取することができます。

芯の大きさはそれぞれの角による個体差になりますが、より小さな芯のもののほうが変形しにくいため、「芯が小さく中心を通っている」ものを「特上芯持」、中間等級の「上芯持」をはさんで、芯が大きかったり中心からずれている場合は「並芯持」と呼ばれます。



引用 : http://www.hankodehanko.com/

…というわけで、サーヤは実印(一生もの)に使うので「特上芯」を購入した。
全くムラのない真っ黒な印鑑でとっても満足♪
ちなみに黒水牛は乾燥に弱いので、印面をオリーブ油で手入れし、専用ケースに入れて保管しよう。

ちなみに実印でオススメの材料としては、次の三点である。
チタン 耐久性ナンバーワンなので、実印といえど頻繁に使用したり(法人用印鑑で捺印頻度が高いなど)、落として割れてしまううリスクを考慮すると、金属製のチタンが安全確実。ただし、ものすごーく高額(万単位)。
玄武 木材の中でも最高級品であり、環境に配慮したエコ印材。ひび割れや歪みが発生しやすい木材の中でも一番耐久性がある。
また黒い材質なので、黒水牛に近い雰囲気がある。
黒水牛 上記のとおり♪


さて、認印の方は「神楽ひのき」
ひのき 横から見た図ひのき 上から見た図
印鑑にはちょっと珍しい材料のヒノキで、「これぞ木材!」って感じの外見。黒水牛の後に持ってみるとすごーく軽い。
島根県産の高級ヒノキで、伐材や端材から作ったエコ印材なのだそうだ。本来、ヒノキは柔らかい木材なので印鑑には不向きとされていたが、特殊な圧密加工技術で可能にしたとのこと。(※ほとんどの印鑑通販・専門店では扱っていません、ごく一部だけで販売されています)

普通、印材として使用するのに最適な木材は「柘(つげ)」「彩樺(さいか)」「楓」などがあるが、サーヤは「特殊な圧密加工技術により、ヒノキの香りも密度高く含まれるため、芳香性が増すというところに惹かれて…。
確かにヒノキの香りが強くて取り出して使用するのがちょっと楽しい。取り出して使用するたびにクンクン、ハァ~…しています。(※人前ではしません)

なお、全ての印鑑に通じることだが、朱肉の油は印鑑に多少のダメージを与えるので、使用後はきれいにふき取ってケースにしまうようにしよう。(特に木材は朱肉との相性が良くないので特に念入りに)


あと、印鑑ケースも大事なのでセットで購入しよう。
印鑑ケースふたつ
左が実印用ケース、右が認印用ケース。

実印用なのだから、ケースもそれなりに丈夫かつ高級品漂うものをということで、ダチョウの皮…もどきの牛皮。(牛皮をダチョウの皮っぽく加工しているだけ)
実印が真っ黒の黒水牛なので、何となく外見は落ち着いた感じの赤系にしてみたかった。(同じに黒いと見た目が紛らわしくなる)

認印は持ち歩くことにしているので、サーヤのイメージカラーのオレンジ色にして、うっかりどこかに置いてもすぐに見つかるようなものにしてみた。

実印と認印はサイズが違うので、ケースを注文するときはサイズに気をつけよう。
あとケースには朱肉も内臓されているが、時間がたつと乾燥してしまうしインク補充も面倒なので、別に朱肉ケースも用意したほうが良い。サーヤは認印と一緒に朱肉ケースも持ち歩いている。
(それに、銀行や役所などは基本的に朱肉がおいてあるが使い古されていて汚かったりするので、やはり朱肉ケースは持ち歩いておきたい)

さて、ハンコを購入するときの参考になれたでしょうか。
▲ページTOP