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現在刻語事典
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其の一 行き当たりばったり
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サイトを開店するのに、座右の銘を最初に紹介する、ということになって、私は一分もかからないうちにこのテーマが頭に浮かびました。今まで全く考えた事がないにもかかわらず、です。
思えば、私が唯一自分で進路を決めるべく思い立ったのは、大学受験の志望校でした。それもたった一つだけ。
高校受験は担任教師から“お前の成績じゃここしか行けん”と指示されたものでした。
大学卒業時では成績が悪くて就職課から推薦もらえず、当時アルバイトしていた出版社から“受けてもいいよ”と言われて受験。多分にバイトの評判からのアドバンテージがあっての合格となりましたっけ。
10年後に所属していた雑誌が廃刊、転属先が気に入らず退職。
当時、月給の一年分の退職金が出て、しばらく風来坊を決め込み、近畿から中国地方を2週間あまり散策。
帰郷すると、出版社の前上司から編集プロダクションが人を探しているから行ってみろとの紹介。ここで書籍作りと広告代理店の情報誌作りの貴重な体験。
そろそろやめようかと考えていた五年後、社長のむちゃくちゃな浪費がたたって倒産。
代理店の担当者から“一人でやるなら口座作ってあげるよ”と言われて独立。主に情報誌の仕事で今に至った次第。
どうです、見事な「いきあたりばったり」でしょう。
話はちょっと変わりますが、東京育ちは地方出身者に比べて少しふわっとしているところがある、ということを耳にします。
もちろん東京育ちの私にもなんとなく分かるような気がします。地方から(という言い方はふさわしくないかもしれない東京以外のところから)東京へ出る、ということは多分人生最大の決意なのだと思うのです。
これだけとっても、とてもいきあたりばったりの人生とはいえません。この人たちは多分、東京へ来てからずいぶんと沢山の決意、決断の機会をくぐってきたのではないか、と思うのです。
私のいきあたりばったりの最後は、サーヤの決断によるサイトの運営の参加ということになりそうです。 |
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