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北大路欣也と藤田まこと どちらが強い?

剣客商売DVDコレクション 創刊号 (第1話 父と子と) [分冊百科] (DVD付)
新旧「剣客商売」に思うこと

最近の「剣客商売」は、北大路欣也版がもう4作目とのこと。
時代劇大好きなユフィは、多分見たのだろうが記憶には残っていない。
ただ、杏が三冬役だったのをなんとなく覚えているから、多分見たのだろう。

2012年から1年に1作のシリーズなのだが、「剣客商売」でユフィの記憶に強く残っているのは、藤田まこと主演のシリーズだ。
最も長く続いたシリーズで、2010年藤田の死去に伴って終了した。

第一シリーズ開始が1998年、第五シリーズが2004年まで続き、その後は「スペシャル」6本として単発で放送されている。
しっかり記憶に残っているのは、藤田まこと主演になってからの第四シリーズのように思われる。

その前のシリーズでは、「剣客商売」は父子の話だった(最初の1話が『父と子』)ので、渡部篤郎と藤田まことの二人がダブル主役だったとか。
秋山小兵衛役は、山形勲が1973年に1年近く、中村又五郎が1982と翌年に1話ずつ演じていて、大治郎役は共に加藤剛が勤めている。

中村又五郎は、最初から池波正太郎がモデルにしたという経緯もあり、『時代劇スペシャル』としての登場だったらしいが、残念ながら全く記憶に無いのだ。
でも作者がモデルにしたほどだから、嵌り役ではあっただろうし、枯れた雰囲気と凄みは一番だったかも知れないから、見たかった。

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記憶に新しい藤田まことの小兵衛役は、「必殺仕事人」が大好きだったユフィが、飛びついた時代ものだったのだろう。
藤田まことが降板してからの必殺シリーズは、まったく面白くなかったのは以前にも書いた通りだ。

「婿殿」のとぼけた味わいは形を変えて小兵衛でも健在だったし、剣客としての凄みは更に増したように感じられた。
おはる役の若い後妻(小林綾子)とのやり取りも生臭くなく、飄々とした味わいはコンビとしては抜群で、とっても楽しかったし息抜きにもなっていた。

大治郎役は渡部篤郎から山口馬木也に、三冬役は大路恵美から寺島しのぶに変更になったようだが、ユフィの記憶にしっかり残っているのもこの二人からだ。
時代物の代表のような雰囲気のある若手で、立ち回りも綺麗でとても良かった。

なにしろ着物姿が様になっていて、三冬の男装も結婚してからの人妻姿もとても気持ちが良く、立ち居振る舞いも流石だと思う。
伊達に歌舞伎界の中で育った訳ではなく、和の雰囲気が彼女の強みだろう。

そんな強烈に記憶に残っている「藤田まことシリーズ」に対抗できていたかどうか、時代劇の厚みは全体的には合格でも、気になる点がいくつか…。
三冬役の杏と大治郎役の斎藤工が、評判も良くないがユフィも気に入らない。

全く強そうに見えない「現代っ子の代表」のようなコンビだ。
まず着物姿が板についていないし、当然仕草や殺陣もなっていないのだ。
特に杏の場合は、衣装係りも気をつけて選ぶべきなのに、なぜか化繊のペラペラな衣装に見えるのが不思議、老中のお姫様のはずなのに…。

夏場の撮影で単衣の為なのか、ペラペラ感にも単色の色合いにも文句が一杯。
杏以外の役の人は、時代物の良さを体現しているから、ますます差が気になる。
のっぽな二人がぎこちなく演技をしている雰囲気があるから、全体に薄っぺらなドラマに感じられるのかも…。

北大路欣也の小兵衛は、すこしいい男過ぎるかも…。
彼のことはデビュー当時から知っているから、重厚な役柄を演じる年頃になっても、若い頃のとても綺麗な少年のイメージがついて回っている。

普段着の場合は良いが、正装していると「お殿様」のイメージが強く出てくるのではと心配したのだが、流石は役者で小兵衛に成りきっていたのは見事。
イメージって怖いから…

若い女房と戯れる演技は、藤田小兵衛の洒脱には敵わないし、お春役も貫地谷しほりはかなり頑張っていたけれど、小林綾子には敵わない。
ぽってり感のある小林お春には、痩せ型の貫地谷お春は見劣りがするのだ。

要するに、藤田小兵衛と小林お春、寺島三冬と山口大治郎の組み合わせは『最強の剣客商売』だったと言うこと。
時代劇の放送が減っている中、良質の時代劇への愛着は増すけれど、いろいろと制約もあって難しいのだろう。
再放送でもよいから見たいドラマだった。
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