韓国時代劇一挙放送
2025年6月16日、全世界に向けてNET FLEX 系列での全話一挙放送。
待ちに待った「イ・ジェイク」の最新作。
謎の男ホンラン・本物か? 偽者か?
待ってました!! いやぁいい男だねぇ…惚れ惚れしちゃった!!
背徳の男なんて演じ切れるのか?心配は無用だった…。

まずは受け入れ・背徳の漢なんて演じきれるのか?
オファを受けた時、前々作「還魂」との違いを考慮して、始めは還魂同様断ったらしい。
理由は、「還魂」は通常の時代劇とかけ離れていたため、演じきれる自信が持てなくて…。
今回は還魂がヒットしたため、作品の違いが問われると考えたため…。
結局、監督・台本の力を信じ、トライしたって理由。
観たときの感想、ともかく殺陣が凄い、スピード感と複雑な動きが…。
ユフィは小学生の頃からの東映時代劇のファン、これでも観る目はあるつもり。
殺陣がこの作品の要だね。
何しろ多い、森林や建物内、庭園という動きにくい場所で、多くの人が動き回る。
「死神」と呼ばれる殺人兵器となった主人公、切る・走る・飛ぶ・回る、目まぐるしい…。
武術監督の作った殺陣は、スタイリッシュでとにかく大変だった様子でしっかり練習・練習。
還魂は型を作ってもCG制作が多く、実際の殺陣が少なかったらしい。
今回は殺陣全てが実写、まぁ、怪我もなく無事に作品完成で何より。
何しろともかく殺陣の場面が命、夜の森林で大勢の敵と戦う場面では、4台のカメラで4日間かかったとのこと…。
半端ない作業で、ジェイクも暗殺隊役も、怪我無く無事に撮影終了で良かった!!
沢山勉強し、沢山練習を重ね、体脂肪5%まで鍛えたらしい。
やるね、さすがはジェイク。
「待ってました!!」大向うから声が掛かりそう、かからなきゃユフィが掛けちゃう。

殺人兵器・愛する人を守る男
作品を受け入れたジェイク、まずはこの時代の背景をしっかり勉強したらしい。
王朝制度が弱まり、商人が力を持ち始めた時代背景。
金が全てを操る時代、力のない者は黙って死ぬしかない世の中で、虐げられた人は何を目的に生きるのか。
そう、時代が悪かったのは確か、しかし、その中で己の幸せを見つけるには…。
『偽物でも本物でも、これ以上不幸になって欲しくない』ジェイの本編の言葉。
寄る辺ない身で、死神として殺人兵器と化した主人公の悲しい性、その寂しい生き方、そして見つけたたった一つの愛。
違う意味で虐げられてたきたジェイ、共に惹かれ合うのは必然?
12年前に失踪したシン商団の跡継ぎ・ホンランが、突然現れる。
ある地域の娼館の用心棒としての現在、昔の面影は無く髪ぼうぼう、黒く殺風景な服装。
報告を受け駆けつける義姉のジェイ、息子失踪後薬物に浸っていた母親、二人の意見の対立は、喜びに失神したほどの母親が勝った。
偽物と言い張るジェイには、ずっと白い目を向けたまま…。
ギクシャクした関係はそのままに、複雑な話は進む。
ジェイを想う養子に入ったムジン、義兄としての感情はジェイを守る男と変わっていた。
そりゃ、跡継ぎとしても、恋慕う女の弟?にしても、凄く邪魔なホンラン。
対立は深まり、刃を向け合う程に…。
物語の中ほどまでには、ホンランとジェイの関係が変わっていく…。
ホンランの背後には、ある殺人軍団の影が見え隠れする。
指示された役目を果たすどころか、ジェイを女として見ているホンランの苦悩。
後半の逃避行に結び着く展開は、ホンランの男としての目が語っていたた!!
ドキドキの展開、ジェイの心の変化、引き止めたいムジンの焦る感情。
恋と駆け落ち物語と驚天動地の展開
11話という短い間に、後半の驚天動地の話が恐ろしい。
王族のジム・ジェイク演ずる大君、美を求める気持ちは恐ろしい呪の固執に…。
これ、物語だから「そうか」と納得するけど、「狂人の戯言」以外の何物でもない…。
ジェイク演ずるホンランをむやみに褒め、その美を称賛するから、それなりの配役が必要な理由。
で、監督は最初から「ホンラン役はイ・ジェイク」と決めていたとか。
装う美しい男、死神と呼ばれる冷静な殺し屋、ジェイを想う男としての艶、そして最後の忌まわしい過去の傷に苦しむその演技力、様々なホンランを描いて見せた。
始めは美しく謎を秘めた男として、次第に恋する男の顔に、最後は卑下する自身を嘆く男。
この作品は韓国語、字幕付きなのでジェイクの声も楽しめる。
体脂肪率5%、上半身裸体の筋肉と肌の美、殺陣の動きに合わせての躍動、ともかく実に動きが早く、しかも物語の展開も早い。
探し求めた敵(絵師)は、何処に…。
大君の邪悪な影が忍び寄る…。
ジェイクの演技の見せ所が迫る…。

主演の二人の相性は?
さて、ジェイクとチョ・ボアの主役二人の相性は…。
ジェイクと組む相手役は全て年上、還魂は9歳差と2歳差、そしてチョ・ボアは3歳上。
女役が年取っているのではなく、ジェイクが若すぎるのだ。
「怪物新人」と呼ばれたデビュー時代、脅威の成長を遂げた「期待して観られる俳優」は、確実に歩みを進めながら、韓国映像界でその足跡を残している。
平成4年の「熱愛騒ぎ」では、お相手は2歳若いカリナで、たった2ヶ月の恋だった…。
ともかく年上の相手役が多いからか、チョ・ボアにも多分可愛がられたと思う。
その証拠に、ジェイクの愛称が「ジェイク」「ラン」「ホンラン」と変わっていって、最後には「天使ちゃん」になったらしい。
チョ・ボア曰く「ジェイクは平気だった」、本人曰く「ちょっと恥ずかしかった…」
無邪気にはしゃぐ彼の性格は、重い・苦しい役柄であっても変わらず、明るく茶目っ気たっぷりで、スタッフとの付き合いもいつも通り。
撮影合間のジェイクは、そう、いつもの彼。
11話を一挙放送・全世界一斉解禁、って凄く強気。
それだけ自信がある証拠。
そして、登場と同時に話題を集めている「この10年で最高の時代劇」との評判。
まぁ、内容が普通の時代劇とは異質。
ふんわかした恋愛ものではなく、復讐・異界への誕生そして恐怖による世界とのギャップ。
その中で唯一の希望と慰めが、主人公二人の愛なんだから、熱演も当然受ける。
王族のワガママと、行き過ぎた審美眼、キム・ジェイク演ずるハンピョン大君が「自身を神と称え、神になる野望」を貫くため、苦しめられる美しい子ども達。
ミョウバン・ヒ素など用い、白く漂白した子の背に彫り物を施し、神符とする残虐な行為。
見目麗しかった為に、大君に選ばれた子は悲劇の一生を送らざる得ない。
そう、ホンランも主家を逃げ出した故に悲惨な人生を歩む。
そして、共に逃げた友と二人、謎の「絵師」を探して、自らの生き方を探す。

漢としての姿・男としての情・哀切の恋人役
今まで見せたことの無い演技・表情は、人知では捉えきれない大君の欲望に対する怒り。
憤怒の顔は演技だとしても深い…。
背中の「忌まわしい彫り物・絵」に対する嫌悪・怒り・悲憤そしてその対局にある愛。
事実を知っても逃げない強い女ジェイ、大きな瞳で演ずるチョ・ボア。
『本物でも偽者でも、これ以上不幸せになって欲しくない』の言葉の意味。
二人で逃げた束の間の恋模様と、周りの人々の様々な思い、交錯する事態と変化。
ジェイクの演技も様々に変わる、ジェイの作るまずい食事への感想、せせらぎでの洗濯と戯れ、菜の花畑での墨の花印、悲劇への予兆の平安と愛の時間…。
優しい微笑みと愛の瞬間、激しくも哀れな話の前兆は、ジェイクの演技の真骨頂。
この後の話の展開は、前半の静かな緊張と乱闘シーンが最高潮に盛り上がる…。
ホンランの背中に刻まれた絵図、彼が生涯恥じ悲しんだ絵図、復讐の為に探し続けた絵師の正体は…。
この物語、愛の話だから表題が「愛しのホンラン」なのだと最後に納得。
話の殆どが乱闘に次ぐ乱戦、目まぐるしいし、迫力は満点。
死が二人を分かつのは、決まっていても…
ジェイクがこんなに深くそして、低く響く低音の声とは知らなかった。
還魂では、明るく茶目っ気たっぷり、若くて世間知らずの勢いで行く「我儘なボンボン」。
呑金では、貧しい子どもの下人として、虐げられて育った不幸な生い立ちと、苦しい試練との板挟み、そしての結果は「死神」として恐れられる殺し屋へ。
その殺し屋が心に留めた愛しい相手、逆らう義姉のジェイ。
自分の身と引き換え、大商人の一人娘、虐げられてはいても「死神」の自分とは違う。
思い悩むホンランとジェイ、二人の想いは終盤で固く結びつく。
物語の始めから屋根に登るジェイ、下から見上げるホンランと義兄。
そしてラストは「ジェイ」と呼びかけるホンランの低い声。
晴れやかに笑って「お帰り」と言う…、髪は既婚のまとめ髪でホンランからの青の簪が…。
「待っている何時までも」「貴方以外は愛さない」「生涯ホンランだけ…」
韓国・日本の題名が『呑金』、そして世界では『ディア ホンラン』の意味が解った。
究極のラブストーリー、最後の場面が山深い雪原、立ち尽くす二人…。
降りしきる雪の中で、優しい目で見つめ合う二人、最高のラストシーン…。
寒かったろうな、冷たかったろうな、観るだけのユフィの感想。
ともかく一応ある意味でのハッピーエンド、お疲れ様でした。
|