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大相撲 遠藤は鮟鱇か アンコ型とソップ型

 遠藤人気なのでしょうか。大相撲五月場所はいつになく、満員御礼が何回も出ました。子供の頃から相撲大好きのジャックも、毎場所、ご近所の、ユフィとサーヤがお世話になっている接骨院の先生から頂く、番付表を部屋に張り出して、気分高揚させて観ています。
五月場所番付表
五月場所の番付表

 しかし、例の遠藤が大きく見えないほど、最近の力士はデカイ。こういう力士のこと『アンコ型』っていうの知ってましたか。その逆の力士は『ソップ型』といいます。ところで、このソップ型の力士がとても少なくなりました。代表的なのは、五月場所・十両で4勝11敗と負け越して、幕下陥落が決定的になった、隆の山俊太郎(田子の浦部屋・チェコ出身)でしよう。なにしろ185センチで91キロしかありません。体脂肪はなんと8.7パーセント。大部分の力士は入門から大きな体をしているわけではありません。柏鵬だってひょろひょろでしたから。

隆の山俊太郎
引用/日本相撲協会公式ホームページ
 みんな大きくなるために、無理をしてでも目一杯のご飯を食べることが、もう一つの稽古といってもいいくらいなのです。で、この隆の山、いくら食べても太らない体質なのだそうで、太るためにインスリン注射までして、問題になったくらいです。それでも、苦心して十両に上がり、一場所で幕の内にまで上がった力士です。

 今、幕の内でいわゆるソップ型の力士を見ることはほとんどありません。横綱の日馬富士が幕の内最軽量ですが、ソップとは違うみたい。引退した琴欧州もソップに近かったかもしれません。大きな力士全盛でソップ型が見られなくなるのは、相撲ファンとしては残念なことです。
大相撲カレンダー
鮟鱇の勢ぞろい 右から二人目は遠藤

カレンダーの琴欧州
右が琴欧州

 このソップ型の謂れなのですが。スープを作るのに、出し殻になった『鶏ガラ』からの連想なのだそうです。しかし、鶏ガラがなぜソップなのか。実は、明治以前に入ってきた「SOP」(ソップ)というオランダ語なのです。このソップという言葉はその後「SOUP」(スープ)という英語に置き換えられて今に到っているのです。

 ジャックが訳知りなことを書きましたが、このことを知ったのは今読んでいる「日本語スケッチ帳」 田中 章夫 著 岩波新書 223ページ 800円+税 の中でのことです。
岩波新書の本
日本語スケッチ帳 (岩波新書)
田中 章夫
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 最初に『アンコ型』と書きましたが、私も昔からなんとはなしに、餅と餡子からの、なにかふっくらとしたイメージでそう思っていたのですが、これは『鮟鱇』が正しいのです。正しくは『鮟鱇型』というべき。しかし、鶏ガラも鮟鱇も力士のイメージとは随分違いますね。
 この本、言葉のいろいろが詰まっていて、読んでいて飽きません。例の「お・も・て・な・し」の動作がエジプトでは「静かに」の意味に、コロンビアでは「沢山ある」の意味に成るなんて言うのも発見。AKBといえばアキバというのは言を待ちませんが、秋葉原の読み方、東京の人は「あきはばら」と昔から言っていました。もちろんジャックも。あきばはら読みは邪道だと思っていましたが、もともとは、あの辺りを「あきばっぱら」と言っていたのだそうで、だとすれば、アキバが正しいのか。何か釈然としません。
 この本読みこなすと、クイズに強くなるかもしれません。タレントさんにお勧め。

 さて、ソップ型力士に話を戻します。かなり昔のことになりますが、『鳴門海』という力士がいました。190センチに届きそうな長身・痩躯。普通、力士は見合いする時は、腰を下ろしてから両手を前に持っていき、土俵に着けますが、鳴門海は腰を下ろしながら両手を体に沿うように足許まで、そしてそこから前方に手を這わせていく、という独特の構えをしました。得意は「吊り出し」で『人間起重機』といわれて人気を博しました。ソップ型の力士はその体型からいろいろな取り組みをするので、いつでも人気になるのですが、隆の山が幕下に落ちて、観る機会が少なくなるのが寂しいかぎりです。
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