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サーヤのオススメ医療漫画３本
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お医者さんを主役とした医療漫画は沢山出ていますね。
保育園の頃から漫画好きだった（さすがに台詞読んで内容までは把握してない）サーヤも、けっこう沢山の医療漫画を読んできました。
沢山の医療漫画があると、興味をもってもどれがオススメ作品かわかりませんよね。というわけで、サーヤのオススメ三本を紹介します。
まずは医療漫画と言えば、誰でもこれは推奨するはず。
手塚治虫氏の「ブラック・ジャック」ですね！！
お医者さん漫画といったら、誰でもこの作品を思い浮かぶのではないでしょうか。
手塚治虫氏が医者を目指して勉強していただけあって、様々な知識をうまくストーリーに織り込んで展開してくれています。
現実にはこんなことありえない！手術もあるのですが（ピノコを作ったりとか）、サーヤがかかったパセドウ病や、ジャック父が手術したばかりのヘルニア脱腸など身近な手術も沢山あります。
でも一番魅力的なのは、わずか十数ページの短編を読みきりで大量生産し、一つ一つが濃厚なストーリーで面白いことですね。
子供の時は単純に面白いと思って読んでいたのですが、成人して自分もチョット漫画を描くようになってから、「こんなに沢山の感動的なストーリーを、医療と絡めながら生み出すなんてすごい…」と驚愕したものです。
医療漫画は、じつはほとんどが「主人公の手にかかれば患者は死なない」展開ばかりです。「ゴッドハンド輝」なんかがその金字塔ではないだろうか…。
死ぬとしても、ながーい長期連載で１．２人程度だったり、主人公ではないサブキャラの手によって死んでしまったりと、なんともご都合主義なのがイヤ。
でも「ブラックジャック」はそういう意味では容赦ないです。死ぬ人は死ぬ、障害は残る、あえて見殺しにする、助けても不自然な生命は死ぬ、助けても患者が指示を守らなければ死ぬ…と、じつにリアルです。
そういう意味でも色々と教えられる神作品ですね。
さて、「ブラック・ジャック」に次いでオススメしたいのが、この作品。
幕末医療漫画「ＪＩＮ－仁－」です。
これは去年初めて読んだばかりの作品なのですが、これを読んで「ブラック・ジャック」以降の数々の医療漫画が一気に霞んでしまいました。
まず、医療漫画でありながらテーマが非常に独特的です。
時代劇を舞台にした医療漫画は他にも色々とあるのですが、これは主人公が現代から幕末にタイムスリップし、薬品や機材もろくにない状況にありながら近代医学を開拓する、そして変えてはいけない歴史を変えようとしていく…というものです。
タイムスリップも、時代劇も、医療漫画も、一つ一つとしてはありきたりなテーマです。それをミックスして一つの作品にした、というのがすごいのですね。
主人公が現代医学の知識を持ったままで、幕末においてどのように医療していくのかが一番の見ものです。
幕末の人は細菌やウイルスの存在なんか知らないので、消毒をするだけでも「何やってんだ、頭おかしいんじゃないのか」ってことになる。こんな時代で周囲の人々を説得して医療していかないとならないんですから、いかに大変なことか…。
要するに、主人公は現代医学の知識があるということが一番の障害になっているわけです。また薬品や機材がないために医療をしたくてもできない…そのもどかしさもあります。
しかし、主人公はそこでくじけずに、この時代にある色んなものを「代用」「改造」して医療器具にしていくのですが、このアイデアがものすごく面白いのです！これは相当の医療知識と発想力がないと描けませんよ！
そんな主人公を妙な人だと思いつつ、「仁の心」を持つ医者だと理解して協力してくれる人が、わずか１６歳の武家の娘と、坂本竜馬です。
坂本竜馬という歴史の有名人が関わるのも面白いし、政略結婚するべき武家の娘が親に反対されながらも看護師としての道を歩もうとするのも面白いです。
この咲という名前の武家娘の活躍が、実に爽快でスカッとするのです。控えめな子なのに、ここぞという場面では頼もしい発言や行動をしてくれるし、主人公を守るために命をかけてくれたり、色々と応援したくなる娘でした。
また、この作品の魅力の一つとして、幕末の文化と風俗を細かく豊かに表現してくれていることです。患者たちは遊郭の女郎、お相撲さん、歌舞伎役者、曲芸師などがおり、彼らの「職業病」を治療していくというのが興味深かったです。
電車や飛行機がないから江戸から京都まで延々と行脚したり、徳川将軍の妻である皇女の暗殺に巻き込まれたり、なんと主人公が投獄されて拷問をうける（！）展開もあるので、本当に江戸・幕末の様々な要素をふんだんに使ってくれているなーという感じでした。
町娘と武家娘のファッションの違いや着物の柄など、細かいところまで時代考証がなされているので、そういう意味でも大変丁寧に描かれた良作ですね。
もちろん、タイムスリップして過去の時代に行っているわけだから、時代に影響力の強い医療を広めたり治療していくと、歴史が変わってしまう恐れがあります。それに主人公は葛藤します。人を救うか、歴史を守るか、そのつど迷い決断していく様子も一つの見所です。
特に一番の親友となる坂本竜馬の死も、主人公は知っているのだから…。
ほんとうに色々な要素が散りばめられていて、非常に読み応えのある作品なので超オススメ！です。
三番手は、前から知っていたがこないだ初めて読んだばかりの作品。
医局改革漫画「医龍」です。
ドラマ化されているので、題名だけでも知っている人は多いと思います。
テーマ的には、心臓外科のバチスタチームが医局の腐敗に改革のメスを入れようする、ありきたりなものです。
この手のものは「白い巨塔」とか「チーム・バチスタの栄光」とかが有名ですよね。
だからサーヤも、そういった内容の作品であることは知っていたので読む気はなかったのです。幼児の頃から漫画を読みまくってきたので、ただでさえ医療漫画というだけでも食傷気味なのに新鮮さを感じられないテーマでは…。
…の割には、非常に高い人気を誇っているので、試しに手にとってみました。
するとこれが予想外に面白くて、全巻を大人買いして一気読みしてしまいました。
１～２巻は普通ですが、３巻からが面白くなっていきます。バチスタチームが１人ずつ加入していくにつれて、物語が大きく動いていき、一人一人のキャラが魅力的に活躍してくれるからです。
主人公は破天荒で天才的な外科医の男で、序盤からドンドンムチャ振りをしてくれますが、中盤あたりから影に回っていくのです。平凡な研修医を育てて成長させるため、女医を教授にさせるため、腐敗した医局を改革していくために、裏で暗躍していくからです。これがちょっとした意外性でした。
だから、優柔不断でいじけるタイプのダメダメな研修医が中盤から力をつけていき、主人公と入れ替わるように成長していく展開は嬉しいものがありました。やっぱり天才が活躍するだけじゃつまらない、人が成長してこそストーリーが生きるというものです。
また、改革のために教授を目指す女医が様々な障害と妨害に悩まされ打ちのめされても、「魔女」と言われるほどに何度も立ち上がり食いつこうとする姿も、心を揺さぶるものがありましたね。
こういう女でなきゃ、教授として医局を改革していけません。
なかなかステキな性格をしている美女なので、序盤の葛藤ぶりに不安を感じましたがドンドンいい女になって感情移入していきました。
医局の生々しい人間関係、一人一人の心の弱さ醜さ腹黒さをリアルに描きながら、それをバチスタチームがどのように演じて裏工作していくことで腐った医局を変えていくのか、その経緯がじつに納得できる展開で、ストーリー構成の上手さに唸ったものでした。（おかげで大学病院に行くのが怖くなりましたが…（笑））
かなり政治的要素が強いので子供向きではないのですが、目指すゴールに向けて全力疾走するストーリーで、グイグイと引き込ませてくれます。終盤は怒涛の展開でもう目が離せませんでした。まさか、あんなことになるとは…。
「ブラック・ジャック」と「ＪＩＮ－仁－」は細やかなエピソードがあり懐石料理で一つ一つをじっくり味わうタイプですが、「医龍」は全体が一つのストーリーなので丼タイプですね。全巻一気読みがオススメです。
惜しくも選外となりましたが、こちらも面白い作品です。
「研修医なな子」
女医を目指す研修医の話。重くなりがちな医療漫画にしては明るく軽やかで、もっとも現実味のある作品です。（実際の研修医はこんな感じだろうなーという説得力がある）
エッセイ漫画のような読みやすさがあるので、気楽に医療漫画を読むのに最適です。
森本 梢子
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他にも「ブラックジャックによろしく」「ゴッドハンド輝」「ドクターＫ」なども読みましたが、途中で止めてしまいました…。やはり医療漫画は食傷気味なので、すごーく面白いものでないと、読み続けられないものです。
そんな中で、本当に面白いと感じた作品を３つだけ選んで紹介してみました。お時間がありましたら、ぜひ♪
以上、紹介した漫画はコミック版、文庫版、Kindle版がありますので、アマゾンでご購入のさいはご注意を。 |
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手塚 治虫
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村上 もとか
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乃木坂 太郎 永井 明
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