ユフィの記事 |
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「ベルサイユのばら」はもはや古典か?
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40周年おめでとう! 長いですねえ
1970年代、綺羅星のごとく活躍した少女漫画界の主人公の中で、誰でも知っている漫画といったら「ベルばら」だろう。
今現在でも宝塚で公演中で、もはや池田理代子の「ベルばら」ではなく、宝塚の「ベルばら」になりつつある。
男装の麗人、という宝塚にとっては最適な話だったし、今テレビ・演劇界で活躍している女優達は、全てと言って良いくらいに「ベルばら」を演じている。
ミュージカルには欠かせない鳳蘭をはじめ、大地真央、天海祐希、真矢みき等々。
宝塚版では、主演のトップスターに合わせて台本が書きかえられたため、それぞれが別の物語構成になっているらしいのだが、初演での長谷川和夫の演出がいまでも型として踏襲されているとか。
宝塚においての古典と言っても良いほど、公演回数も重ねられている。
「ベルばら」が宝塚で初演されたのが、1974年という漫画の連載終了の翌年という早い時期だったこともあり、それだけブームが起こっていたという証でもあるのだが…。
私にとっては、同じ池田理代子作の「オルフェウスの窓」のほうが、宝塚向きではないかと感じていたのだが、なにしろサスペンス調で暗い内容だったこともあり、宝塚で公演はされたのだが「ベルばら」ほどにはヒットしなかったようだ。
私も最初から「ベルばら」を読んでいたのではなく、途中からだったように思うのだが、何しろ40年近くも前の話なので、はっきりした記憶はない。
テレビアニメでの放送も見ていたし、宝塚の公演も見たことがあるので、全てがごっちゃになってしまっている。
サーヤが全巻購入したのを機会に、改めて1巻から読み直したのが何年か前のこと。
まだ若かった池田理代子の絵の上手さは、今ほど精緻ではないが、きちんと主人公たちの年齢とキャラクターが描き分けられていて際立っていた、と今さらに驚いたことを覚えている。
今回、漫画について書くのに「全巻読み直し」をサーヤに勧められたが、とても読み通すには時間的に無理だ。
とにかく、最初の幼さの残る2人の主人公・マリーアントワネットとオスカルの可愛らしさが目を惹き、30代での2人の死の前の苦悩に満ちた大人としての雰囲気に目を見張る思い。
最近の少女マンガは、キャラクターの描き分けができていない人が多いからなおさらに感じられる。
ユフィも年取ってきて、さすがに漫画はもう読むことは少なくなったが、サーヤが勧める何冊かは読んでいる。
40年近い長い間、漫画の世界以外にも足跡を残した「ベルばら」は、もはや漫画界でも古典的存在になっているのではないか。
個人的には、「オルフェウスの窓」のほうが面白く読めたのだが、華やかさでは「ベルばら」には敵わない。
オスカルとユリウスの両主人公は、同じ男装の麗人で金髪。
非常に似通った印象があるのだが、オスカルは誰にも女性として認められながら男性として生きようとし、ユリウスは男性として偽りの生活を送ることに精神的苦痛を抱いている、というところが違っている。
よく似た設定ながら、明暗というか、苦悩の陰はユリウスの方に深く、陰りのある面立ちになっている。
物語的には、「大人の雰囲気が強い」と言うことかもしれない。
少女漫画と言うよりは、歴史的にも近い時代のため、大人の漫画としての読み応えが充分なのだ。
そこが、大人のユフィが興味を惹かれた理由の一つでもあるのだろうと思う。
ネットでは『ウィキペディア』が、漫画や宝塚についても非常に詳しく解説しているので、一見の価値あり。 |
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