浅草鷲神社の賑わいに圧倒された
前回の「渋谷宮益坂・御嶽神社で初めての「酉の市」」では、酉の市に興奮気味のサーヤだったが、実はユフィは初めてではない。
結婚前にジャックや同僚と、「東京の本場」とされていた浅草に出かけてことがあるのだ。
ジャックはすっかり忘れていて、「ユフィを連れて行こうか」と思った様子。
三の酉の日曜日に、浅草近くの立石で高校時代の友人夫婦と会食の予定が計画さていたので、丁度良いと思った様子。
出かける前に「長く歩きそうだから、スニーカーでもいい?」と確認したら、渋い顔をしたから、靴選びを開始した。
古い友人夫妻たちと会食だから、銀と白の目立つスニーカーではちょっと、ね。
とても歩きやすいので、旅行など歩き回る際には重宝なのだが、暗めの服装が多いユフィの場合、足元だけが悪目立ちしてしまうのだ。
一人で出かけるときには良くとも、夫婦で出かける際にはまずいかも…。
そして探し出した靴は、なんだか見覚えのない黒い靴で、靴底がヒールまで繋がってゴムタイプ、内側は土踏まず添った形のもの。
試し履きしてみたらピッタリとフィットして、凄くはきやすい。
結果はこの靴で大正解、なにしろ歩いた歩かされた何キロだったか、もの凄く!?
心配していた親指の痛みも、足全体の疲れも思ったほどでなくて良かったあ。
帰宅後、サーヤが「あれは喪服用に痛くない靴として買った私のもの」と注意されてビックリ、「失礼いたしました」なのだが、そりゃ覚えがないはずだ。
とにかく、立石からで浅草へ京成線で一直線でよかったのだが、いつもの駅と違うから少し迷ったこともあって、鷲神社まで行くのが大変だった。
バス3駅分の3~4キロは歩かされて、やっと近づいたと思ったら物凄い人波。
鷲神社のある所までの歩道は、何故か行列ができていて、しかもそれがながーく左右に続いているのだからビックリ。
近づいて分かったのは、本殿に参拝する人々の行列だということ。
鳥居の前には、本殿参拝の行列の人を分けるテープが…
これでは何時間掛るか分からないので、あっさりと参拝は諦めて裏に回る。
そろそろ夕暮れ近くで、ズラリと並んだ出店では裸電球が輝き始めている。
その店の数が凄い、百ではきかないくらいにぎっしりと並んでいるのだ。
境内の地図も大きい
それぞれに趣の違う熊手が楽しいのだが、なにしろ人波が凄すぎて、落ち着いて眺めてはいられない。
渋谷の御酉様は、近隣の会社の人や住民、興味本位の若者などで賑わってはいたが、出店も数件だったしね。
規模が違うのだから比較はできないが、「サーヤにも見せたかったな」とジャックが一言ポツリ、「人混みを見ただけで帰ると言いだすから」とユフィ。
ともかく人を掻き分け、犬や幼児連れの家族を「連れてくるな!」と胸中で罵りながら、本殿前の細く開けられた人混みの中を通り抜け、進むこと30分位。
出口近くで、物凄く大きな熊手に驚いてパチリ。
「サンリオ様」との予約が目立つ一品、キャラクターがたくさん飾られていて、ひと目で特注品と分かるの驚きと共に楽しい。
やっと神社の境内を抜けて商店街に出たのだが、両側がずっと屋台の群れで、こちらもものすごく混雑していた。
境内よりは少し楽に歩けたが、屋台もずいぶん昔と変化していて、若者向きのものがたくさん並んでいる様子だ。
「切り山椒」と言う昔ながらの御酉様の名物菓子、売れ行きが良くないようだ。
ちょっと一杯の店も出ていて、結構みんなやっている。
最初の写真の場所に、やっと出られてホッと一息入れる。
少し先の有名な佃煮屋「鮒金」で、ジャックが三種詰め合わせを購入。
「小女子・しそ昆布・あさり」の三種類で、流石は浅草名物で美味しかった。
大入り袋が添えられていたのが粋で、五円玉で「ご縁結び」の意味がある。
帰りはバスに乗りたかったが、ジャックはひたすら歩くから、ブツブツ言いながら付いて行くしかない。
「アンヂェラスでお茶するから」と、昔から有名な喫茶室に連れて行かれた。
ユフィは「立石の喫茶店でパフェ食べたから…」と渋々なのに、サンドイッチ風な軽食などは無いので、贅沢にも大きなシュークリームと紅茶で我慢。
普段なら大喜びのケーキも、パフェの後では有難味も半減。
ジャックは「ワイン」など優雅に楽しんでいたけど…。
昔の御酉様はとっても寒くて、厚手のコートにブーツ姿だったし、こんなに混んでいなかったから、ゆっくりと楽しめたように思うのだが、「三の酉」でしかも日曜日だからなのだろうか。
江戸時代から続く「鷲神社の酉の市」だが、商売繁盛の縁起熊手も最近は変化しているのだとか。
若い人向けの「恋愛成就」や、家内安全・健康・勝運、様々な願いも熊手によって叶えられるのだそうな。
商売繁昌は勿論の事、若い人が楽しめる市として賑わっているらしいから、廃れるよりは賑やかになっていく分にはめでたいこと。
もう、年寄りがぶらぶら楽しく歩くお祭りではなくなっているのかも。
渋谷くらいが身の丈に合っているのかな。 |