服装にも気をつけて、ね
ジャックとユフィの結婚50周年、今年の10月19日だった。
きっかけは「そろそろ金婚式だよね」のサーヤの言葉。
「待ってました」とばかりに、「お祝いしてくれるの?」と乗ったことから…。
以前サーヤが「東京會舘のランチ」などを食べたことを聞いていたので、お願いしてしまう。
「東京會舘」といってもピンとこない様子のサーヤ。
年齢的には無理も無い。
戦後生まれの我が夫婦には『東京會舘』は憧れのレストラン。
超高級な結婚式は「東京會舘」と決まっていたし、戦前は別格の扱いだったのだから…。
ジャックも大乗り気で『どうせ招待してくれるなら、一番高いコース』と言い出した。
ユフィはちょっと控えめに「シャンパンでなくてもいいから…」と言っておく。
後にサーヤが見せてくれた「平成30年10月のメニュー」には、Aコース〈肉と野菜のコース〉2.160円、B・Dコースが3.240円のリーズナブルなものもあった。
フルコース・5.400円は、『フォアグラとキノコパイ包み焼・マデラソース』『コンソメスープ』『舌平目すり身入り洋酒蒸し』『国産黒毛和牛フィレ肉の網焼き』『デザート』『コーヒー』で、ユフィはこれで大満足だったのに…。
結果は「特選お任せコース・7.560円」にしてくれたサーヤに感謝!
代官山のフランス料理『ル・プティ・プドン』が基準になる我が家族、食べきれるかが心配になって、予約の際に老齢の金婚式祝いなので、量は少なめにとお願いしたらしい。
なにしろ『ル・プティ・プドン』では、1品ずつ自分の好みで選んでのコース注文になる。
その1品ずつが全て単品コースの量だから、近年は家族の誰もが満腹を越えて苦しくなってしまうのだ。
折角特別な日の味わいだから、最後まで美味しくいただきたいという訳。
さらに招待主になったサーヤの一言。
『きちんとしたスタイルでお願いします』「ジャックは心配ないが、ユフィが……」だそう。
失礼な!いささか自尊心を傷つけられたユフィ。
で、当日のスタイルは…。
濃いグリーンのベロアの上着に外国土産のネクタイ、ベージュのズボンで決めたジャック。
カシミアのグレイのセーターにダークグレイのロングスカート、ブラックパールのイヤリングとペンダント、リングも全て揃えたユフィ。
で、サーヤはと言うと、会社に出勤したお仕事スタイル。
まあ、金婚式は「ジャックとユフィが主役」なのだから、いいけれど…、ね。
で、お部屋は広々とした個室だった。
親族や友人も招きたくなるような、夜景の綺麗な静かなフレンチフルコースを、静かに親子3人でお祝いした。
ボトルでシャンパン
そして、当然のようにジャックが「シャンパン」を注文。
しかも『ル・プティ・プドン』とは違って、グラスでの提供は無いらしい。
なんたって東京會舘だよ、ケチケチしないで全員でボトルのシャンパンだ。
「ローランペリエ」甘くない、スッキリとした飲みやすいシャンパン
給仕してくださる方は初老の落ち着いた雰囲気の男性で、ギャルソンでは失礼かも知れない「シェフ・ド・ラン」とお呼びすればよいのかな…。
ギャルソンという呼び名には、若い雰囲気があるから…。
シャンパンは飲みやすいので、気をつけないと酔うのが欠点だが、3人で分けたから丁度良い分量。
続けてスープが終わった頃に、赤ワインを頼んだ。
(ワインボトルをお持ち帰りして撮影しているので、画像の背景は自宅)
「シャトージスワール」を1本、ジャックは料理に関係なく赤ワインが好み。
フランスのワインシャトー巡りをした際の自慢話も出て、ご機嫌が良い。
この辺りでサーヤが「お金が間に合うか?」の心配を始める。
シェフ・ド・ランは、気を利かせて度々席を外すから、その間に現金を数えだした。
「なんとか間に合いそう」とのことで、一安心。
だって、「ローランペリエ」が7.560円、「シャトージスワール」は1.1880円。
4万円は軽く超えるだろう…。
と言っても、毎年暮れの恒例「ル・プティ・プドン」でも4~5万円支払うのだから、あまり変わらない訳だけど…。
メニューは料理が5品 デザートにコーヒー
メニューは、とてもシンプルな白に紫のリボンが優雅かな。
まずは「アミーズ・ブーシュ」、食前酒の為の軽いつまみのこと。
とても小さいが、シャンパンには良く合っている。
『ル・プティ・プドン』では、様々に工夫されたアミーズ・ブーシュが出されていたっけ。
続いてオードブルが「サーモンマリネと生ハムのコンポート添え」で、いくらとキャビアの小さなカナッペと、盛りだくさんの内容。
食べきれない心配は無いかも…、このあたりでユフィが感じた。
量が控えめで、しかも質は高い。
続けて「東京會舘伝統の紺コンソメスープ」、綺麗な透明のスープで味わいは深かった。
流石に伝統の味は凄い、手間と時間が掛かっているんだろうな。
魚料理は「赤むつのポワレ サフラン香るブールブランソース」、またまたサーヤが『赤むつは食べたことが無い』と言い出したので、ジャックが講釈。
「のどぐろのことだよ」「高級魚だから家庭ではあまり食卓に出ない」高いんだから…
「ブールブランソース」は、白ワインとエシャレットのソースで、魚の風味が際立つ調理。
このソース、高価なサフランを使用していて、高級魚に合わせたということかな。
最後の肉料理が「黒毛和牛フィレ肉の網焼き マデランソース」、マデラソースも始めて聞くように思う。
ポルトガルのアルコールのようで、赤ワインなのかな。
アルコール度数が高いらしい、マデラワイン自体は高価ではないようだが、なにしろ「黒毛和牛フィレ肉」だから、調理用には高価なものを使用しているのかも?
ともかく軟らかいのでびっくり、その美味しさに2度びっくり。
サーヤが「こんな牛肉は始めて」と驚いた味の良さ。
「なにしろ東京會舘だから」と、またまたユフィが自慢?したりして…。
黒毛和牛は、江東区に越してきてからも「肉の田じま」と「USHIHACHI 木場店」でも食したが、味わいと軟らかさが格段に違うのだ。
入れ歯無しでもいけるくらいに軟らかい。
しかも程々の大きさで、レアなので、言うこと無し。
「デザート」は、甘味がチョコケーキとシャーベッド、フルーツが柿・ブラックベリー・ラズベリー・マンゴー・メロン、盛り合わせだから量は少ないが食べ応えはある。
そして、コーヒーでお仕舞い。
パンが美味しい!
特筆なのがパンだった。
フランスパンはそれほど感激はしなかったのだが、バターボールの美味しさには感激。
とても軟らかく、そして味わいは甘さ程々で、小麦粉の旨みが舌にじわっと来る。
パン大好きのユフィとサーヤは感激。
パンと菓子の工場は、昔から木場の公園近くにあるらしく、ジャックのお散歩コースなんだとか。
クッキーなどの直販はあるらしいが、パンは無いみたい。
後日、ジャックが聞きに行ったら「ウインターギフトフェア」の広告をもらって来た。
浜松町で、11月3日に「お歳暮ギフト」「クリスマスケーキ」「パンの販売」があるらしい。
有楽町の東京會舘が改修が済んだら、パンの販売もする予定だとか。
そこまで買いに行くか?
それより、また何かの折に東京會舘で食事ができたら、そのほうが満足!
サーヤが悲鳴を上げそうだから、次は何年か後に何かのお祝いでまたお願いしま~す。
最後に金婚式おめでとう、ワインのコルク栓を手に満足のジャックとデザートに嬉しそうなユフィ。
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