コロナ渦の6月末
例年のサーヤの夏のボーナスでの会食。
今年初めの「ル・プティ・プドン」での約束通り、新設なった会館に決まり。
5月頃からソワソワ、東京會舘の本館は始めてなので検索したところ「ドレスコード」あり。
「スマートカジュアル」で男性はジャケット着用とある。
『大変だ』ユフィが先走って伝えると、「夏用ジャケットは無い」とジャック。
仕方ないから考えて「国からの10万円で新しく購入」と言う。
高いのを買うから「棺の中に入れてくれ」だって…。
でも心配無用、同じ東京會舘のレストランでも格下?の「グリル ロッシニ」に決めたから…
メインダイニングの「レストラン プルニエ」は、またの機会によろしく。
とにかく、金婚式の際の東京會舘は、サーヤの会社専用の特別レストランだったから、年寄りに合わせて少なめの食材で拵えてもらったんだそう…。
料理は品が良くて、美味しくて、大きな個室で静かだったな。
地下鉄から地下道で…
今回は地下鉄で有楽町まで出て、なんと地下道を歩いて到着。
ガラァーンと人気の無い地下を歩いて、着いた先がドアの向こうの味気ない通路。
で、エスカレーターで上に上がり、一旦外に出てから半周りして到着。
暑いけど外の空気吸いたかったし、雰囲気も味わいたかったし…。
効率ばかりのサーヤの行き方(なんだかなぁ)ま、いいか、御馳走になるんだから…。
外から丸見えの「グリル ロッシニ」を回り込み、凄い玄関に出た。
まるで高級ホテルの構え、煌々と明かりが点ってちょっと驚き。
考えてみたらホテルのレストランで家族で食事したこと無い、ジャックが嫌がるから…。
なにはともあれ、マスク姿の玄関マンに導かれ中に。
広くて灯が煌々と灯され、天井も高く「伝統の趣」が満載。
帰りにロビーを散策したら、白い花でまとめられた大きな生け花を中心に、何本もの竹が四角いガラスの花器に活けられ立っていた、凄いね、お金が掛かってるね。
う~ん、壮観だなぁ。
街のレストランも良いけれど、何年かに1度はこんな贅沢もうれしいよね。
予約時間に少し早いので、ロビーの端のソファで時間つぶし…。
グリル ロッシニの雰囲気は
ドレスコードはなくても、ティシャツやデニムではそぐわない。
ジャックは「スタンドカラーのシャツ+サマースラックス+黒のベスト」というスタイル。
ユフィは友人が贈ってくれた「白のレースのブラウス+黒のセミロングスカート」、思い切って普段は着けないピンクダイヤのペンダントとリング。
「私はフォーマルな服を持っていない」とサーヤ。
「会社に来ていくブラウスでいいよね」と、なんとかなりそうなブラウスとスラックスのいつものスタイル、ただし服に合わせてオレンジのペンダントと華やかなリング。
気がついた人は少ないだろうな…。
ともかく、スタイルはまあまあで店内へ。
キリッとした黒服に白マスク姿の支配人に迎えられ、席に案内される。
女性のスタッフが多いのが特徴?
何人も控えていて、男性よりも柔らかな雰囲気、もちろん白いマスク姿。
白と黒とに統一されていて、きびきびした行動が気持ちよい。
で、最初に封筒を渡されて「エッ、何」と思ったら、「マスク入れにしてください」だって。
忘れていたけど、私達もマスク姿だったんだよね。
家族お揃いのグリーンのハンカチの手製マスク。
何処に置こうかと迷ってバッグに仕舞ったから、ありがたく封筒に入れてバッグに。
さっきぐるりと回った店外が、窓近くの席からよく見える。
「落ち着かない」とサーヤ。
だんだん暗くり、中からは外が見え難くなったが、逆に外からは?
暗くなって人通りは少なくなり、車のライトが目立ち、なんとか落ち着いてきた。
さて、お料理は
高級レストランに慣れていない我家族。
まだ始まらないのか、と気になった頃、まずは「ドリンク」からお尋ねが…。
ジャックが「シャンパン」サーヤはいつも通りに「ロゼシャンパン」で、ユフィは珍しくも「ジンフィズ」を頼んだ。
メニューに載っていたからだが、20代の頃始めて口にしたアルコール。
あまり強いものは飲みたくなかった…。
なにしろ「ステイホーム」でお腹が出て、スカートが苦しい…。
「アミューズ」は、「タコとキッシュ」から開始。
アミューズって食前酒に添えられる「おつまみ」的なものなんだって。
長い間「ル・プティ・プドン」で食事していて、最近知ったばかり…。
前菜は「生ハムスティク・3色野菜のムース カクテル仕立て」。
そして、各自料理のセレクトへ
スープは「東京會舘伝統のコンソメスープ」か「冷製スープ・パリソワール」か選ぶ。
ジャックは「コンソメスープ」で女性は「冷製スープ」、夏だもんね。
続く魚料理は「ライムのクルートを纏ったスズキのポワレ ヴェルモットソース」。
肉料理は「フィレビーフステーキ ペッパーソース」がジャック。
私達は「ローストビーフ厚切り」、これが間違った選択に…
そして、デザートが「ミニマロンシャンテリー」なんだけど、ここでスタッフの女性がなんだか言っている。
「シャンテリーを季節の味に変更できます」と言っていたらしい。
何がどう違うのかわからないが、ユフィはメロン味、ジャックとサーヤはメロン嫌いなので普通のやつで。
で最後は「コーヒー」で全部済ませて「やれやれ」。
味は最高、量も最高
「ジンフィズ」はサッパリしていて飲みやすかった。
スープも東京會舘自慢の味で文句はなし…。
ジャックの赤ワインもいつも通り、コクのあるワインを選んだらしい。
特筆すべきは料理の量、スズキのポワレの大きなこと。
金婚式の「ノドグロ」のイメージとはまるで違って、食べ応え充分の厚さ。
ここでサーヤが「金婚式の時は量少なめに頼んだ」と言う話が出た。
もっとも「ノドグロ」と「スズキ」じゃ比べられないけど…。
3人ともに半分くらい、残しちゃった。
だって後に「ローストビーフ」が控えている。
東京會舘と言えば「ローストビーフ」と言うくらいの味。
これを食べなきゃ来た意味が無い、くらいに思っていたのだから…。
ところがここで「ミスった、ユフィが選択を誤った」と後悔する。
「厚切り」の意味を悟ったのだ。
いつもうすーいローストビーフしか食べていなかったから、目からウロコ!
なんと大きくて分厚いのがドン!
に反して、ジャックの牛ヒレステーキの小さくて可愛いこと。
参ったね、頑張ったけど二人とも半分くらい残しちゃった。
食べ難かったし、筋っぽっかったし、ローストビーフは薄い方が良かったのかも…。
ビーフはUS産って明記してあるし、国産ならバカ高いだろうし…。
シャンテリーは…
とても頑張ったお食事、ようやく終了。
そして、シャンテリーの季節うんぬんの意味も納得。
白い生クリーム系と、夕張メロンの味のオレンジ系クリームのことだった。
メロンが苦手の二人は白、ユフィだけメロン味(薄いオレンジ)でフィニッシュ。
でも栗とメロンの味がなんだか…。
とても小さなコーヒーで、お腹満タンの家族は大満足。
今度は「何時来られるかな」、グレードを上げて2階の「プルニエ」来訪はあるのかな。
ドレスコードが心配だから、冬場になるよね。
支払いは、サーヤが化粧室に行っている間にチラリと見た。
「わあ、凄い額」。
まぁ、1人1万円のコースで、特別にローストビーフに変更してもらって割り増し料金、シャンパンにロゼ、ワインが赤と白、いつもの「ル・プティ・プドン」と余り変わらない筈。
(サーヤより→ いや、ル・プティ・プドンの倍近くあったよ。あっちは7千円コースだし、飲み物の値段も違う。)
よくよく考えたら妥当な金額なんだけど、近年は「年金暮らし」ものだから…。
立派な会館の素敵なグリルで、美味しい料理と手厚いサービスで大満足の家族。
帰りは出口から控えのタクシーで帰宅。
たいへん結構でした。
ありがとうね、サーヤ。 |