| 新しい店ブールミッシュの味わいは 
 4月の始めの日曜日が、ユフィの誕生日だった。
 2月のインフルエンザから後遺症で、胃の不調や目の異常でグズグズ状態が続き、家族に迷惑もかけたから黙っていた。
 もっともジャックの誕生日もスルーしたから、お互い様…。
 
 で、金曜日の朝に「誕生日のプレゼントはケーキでいい?」とサーヤが聞く。
 「えーっ、5日遅れかよ」とは思ったけれど、思い出してくれただけでも感謝しなくっちゃ、ね。
 
 先週の木曜日頃までは覚えていたらしく、今度の土日のコーヒータイムに食べるためのお買い物だって。
 今までとは違って、東急のれん街のお店にしたらしい。
 
 「のれん街の店は高いから…」とブツブツ言いながら、箱も高級感のあるしっかりしたもので買ってきた。
 伝票も一緒に添えてあるのは、「高かったぞ」と言う意思表示と「やま玉に書く」事の強制だね、きっと。
 
  
  
 さて、私も初耳の「ブールミッシュ」とは、どのようなお店なのか。
 銀座が本店らしいのだが…。
 
 『日本に本格的フランス菓子を紹介した草分けとして知られる。店主・吉田菊次郎がパリで研鑚した伝統的な味わいを基本に、バラエティー豊富な焼菓子、新しいおいしさを生み続けています。』
 
 だそうで、「焼き菓子」が有名で主流らしく、「ケーキ」は前面には出ていない。
 最近のケーキはとにかく高いから、一つ400円は当たり前。
 価格が高いのは高級素材を使用している証拠だから、文句は言えないのだけど、ね。
 
 伝票にはケーキの名前が無かったので、ネットで調べた。
 まずは「ブールミッシュ」の代表的な味と言う『シブースト』は、創業当時からの看板ケーキらしい。
 
  
 長四角の形も珍しいが、カットされる前の姿も大きな長四角なんだろうな、きっと。
 店主が「昔のレシピを発掘・再現した味」と言うから、絶対的自信作だね。
 
 生地にアーモンドを使用し、ソテーしたリンゴと、フレッシュなクリームをたっぷり使ったその味わいは…。
 「甘過ぎず、くど過ぎず、ほんのりリンゴの味わいがする」とっても食べやすいケーキ。
 
 続けて『ショコラ・ファン』は、しっとりしたスポンジとチョコレートクリームのシンプルな組み合わせ。
 で、とってもアッサリと物足りなさも感じさせる仕上がり。
 
    
 形は大きいし、シンプルなだけに食べ応えはありそうに見えるのに、食後感が「う~ん」なのだ。
 本場フランス菓子では、「これでもか!」と言うくらいに甘いのがケーキ。
 物凄く味わいをシンプルにしてしまったようで、すっかり日本的なケーキの味。
 
 素材の持ち味を引き出すには、甘味を抑えて素材の味を大切にするのは分かるのだが、『物足りないケーキ』って…。
 いつもの通りに半分ずつ食べて、二人共に「う~ん」になってしまった。
 
 コーヒーの味が勝ってしまう「チョコレートケーキ」には、初めてお目にかかった気がする。
 別添えの小さな板チョコは、しっかりした味だから、ケーキ類が「あっさり味」と言うことか。
 
 三つ目の『いちご』は「季節のブテイガドー」の一つらしいが、『苺のパリブレスト』『ココ・ベリー』『苺のパフェ』『苺のタルトレット』は載っているのに、ガラスの器入りのこれだけは載っていない。
 
  
 『苺のムース』かなあ、サーヤは『プリン』と言っていたのだが、これだけはユフィ一人で食べるように言われた。
 次の日のランチに、ひとり楽しく頂く。
 苺にはゼリーが掛けられ、ピスタチオの粒が乗っていてアクセントになっている。
 
 ムースはいちご味で、酸味と甘味が程よく苺とはとても相性が良いのだが、結構大き目なのにぺろりと完食。
 これもアッサリと呆気なく、非常に食べやすかった。
 
 全体的に「物足りなさ」があったが、素材の良さは分かったし、『シブースト』などの技巧的な味わいも確認したから、満足だったけれど「物足りなさ」は残る。
 
 「食べログ」では、銀座の本店の口コミが多く、ソフトクリームは評判の様子。
 ケーキは『シブースト』以外は、総じて『☆3つ』みたいだから、やっぱり物足りないのかな…。
 
 この『シブースト』はホール(丸と角)でも販売しているらしく、価格はさほど高くは無いみたいなので、今度はこれ買ってきてね。
 それと「トリュフケーキ」「マドレーヌ」「ガレット」「スフレ」「焼きシーブスト」「パイ」などの焼き菓子も興味あるので、またよろしくお願いしまーす。
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