ユフィの記事
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お宮参りは真夏の八月
白い木綿の手づくりベビードレスで
正式には「初宮参り」と言うらしい。
一般的には「お宮参り」と言えば誕生1ヵ月を迎えての行事で、近くの神社(産土神)に感謝・報告すること。
時期は男女によって少し違いが有るようだが、最近は生後1ヶ月頃に行われてることが多いらしい。
サーヤの「お宮参り」は、写真の日付が8月6日になっていたから、生後33日めで風習通りだ。
母が付き添っているところから、母が昔通りの女子は32~33日目ということを知っていたのだろうか。
ちなみに男子は31~32日目だそう。
両親と父方の祖母が付き添うのが本来の形らしいが、ジャックの父母はいないので、ユフィの母が付き添っている。
母は、キチンと夏の紗の着物姿で自宅前で写真を写した後、涼しいワンピースに替えて宮参りをしたっけ。
風習通りの時期に宮参りなので、夏の暑い真っ盛り。
本来の服装は、赤ちゃんは白羽二重の着物姿、紋付の祝い着と呼ばれるものを羽織るのだが、この暑さではとてもとても…。
この「祝い着」は、成長して七五三にも着られるようにしてあるらしい。
最近は、ベビー服にロープを掛けることが流行しているとのこと。
わが山下家ではまだ流行る前に、すでにベビードレス姿なのだが、これは単に暑い時期だったからに他ならない。
普通の春秋や冬の季節なら、しっかり祝い着を用意していたはずだ。
その証拠に、母は写真撮影のために着物を着ているのだから…。
父方の祖母が抱いて祝い着を掛けている姿は、お宮参りの正装でもある。
白いケープまではユフィも思いつかなかったのだが、気が付いていたら白いオーガンジーで作っていたかも知れない。
ともかく暑いので、ベビードレスはコットンの薄地のものにし、同じ生地で帽子も作り綿レースを飾ってある。
生まれる前に用意したもので、男女どちらでも良いように、華美な装飾は付けてはいない。
女の子と分っていれば、もう少し飾り立てていたかも知れないが、現在とは違ってサーヤ誕生の頃は、生まれるまで男女の別はわからなかった。
かなりの難産で丸1日近く掛かり、だんだん力がなくなっていく中でやっと逆子で出てきたとき、先生が「男の子だ」と言ったときはがっかりしてしまった。
女の子が欲しかったのだから…。
すぐに看護婦さんが「先生、女の子ですよ。逆子だから腫れてそう見えるだけ」と言ったので、安心したことを覚えている。
可笑しいのだが、産後は疲れてしまってそのまま眠るのかと思っていたのに、興奮していたのか、朝まで眠ることなく、ずっとおしゃべりしていたこと。
それから、連絡を待っているであろう自宅へ、朝まで電話してくれなかったこと。
「大変な出産だったのだから、少し心配させてあげたほうが」と言う看護婦さんの考えで、結局朝まで連絡せず。
本当は後30分出産できなかったら、帝王切回になるはずだったのだ。
陣痛のときは正常だったのに、
出産時にはひっくり返って逆子
になっていた、という珍しい出産だったのだから、看護師さんの言葉にも「言い分」はあるのだけれど…。
母と2人で一晩中、自宅で眠ることも出来ずに、酒を酌み交わしていたというジャック。
連絡を受けて飛んできて、安心したらしい。「早く知らせてくれれば…」と愚痴っていたけれど。
母は気丈な人なのに、自分のこと以外はマイナーに考える癖があって、「逆子だから脚に障害が出るのでは…」と思ったらしい。
2人して、酒でも飲まなければ過ごせない一夜だったのだろう。
心配させたサーヤは初授乳のとき、看護婦さんが驚くほどの素早さで、お乳に吸い付いた。
普通は口で乳首を探して迷うものらしいのだが、その吸い付き方と飲みっぷりはすごかったらしい。
「その胸では母乳は難しいかも」と言っていた医師が驚くほど、沢山母乳が出たのは、サーヤの吸引力の結果だ。
当時から食いしんぼうだったのだろうか。
暑い中、徒歩15分の神社に行き、「お払いをしてもらった」と思うのだが、出産時と違って記憶は不鮮明。
ただ、神社の涼しい縁先で昼寝している写真があるので、中に入ったのは確かだろう。
それと、「お食い初めの食器」を戴いた記憶はあるし、これもうろ覚えなのだが「氏子」の証明書のようなものももらったと思う。
以来、正月の初詣は、氏子として毎年参詣していたから…。
「お食い初め」は生後100日目に行われる儀式で、「箸初め」「歯がため」とも言われる。
生後100日頃から歯が生え始めるので、「一生食べることに困らないように」と願いを込めるらしい。平安時代から続く行事だとか。
食器は漆塗りの高足の膳で、男女で違う黒赤塗り分けの漆塗りの食器が用意される。
戴いた「お食い初め食器」は、赤一色のプラスチック製だったが、100日後の10月にちゃんと実行した。
近年は略式での祝い膳として、ベビー食器で離乳食を用意し、ミルクや母乳の乳離れのきっかけとすることも多くなっているようだ。
どのような形にしろ、ひとつひとつ成長のきっかけ・証としての行事は、残していきたいもの。
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