宇野昌磨の衣装は難しい
平昌五輪で、羽生結弦と共に2位で表彰台に上がった宇野昌磨。
最初のジャンプで転ばなければ、ジャンプにミスがあった羽生を越えていた?かも知れないとの話も出るほどの「出来栄えと落ち着き」だったらしい。
羽生の後を追いかける立場の宇野選手だが、まだ19歳の若さ、それでもシニア3年の落ち着きは出てきているのだろう。
印象的だったのが、終了後に羽生選手に頭を撫でられていた場面。
そう、長身でスマートな羽生選手に比べて、ちっちゃいのだ、とっても。
男子フリーの演技を終え、セレモニーで、銀メダルとなった宇野昌磨(左)の頭をなでる優勝した羽生結弦=17日、韓国・江陵アイスアリーナ(代表撮影) |
手足も当然長くは無いので、こじんまりとした雰囲気がある。
筋肉質の体形なのだから、はっきり言ってスマートな選手が多い中では「見栄え」はしない。
普通のファッションでは見栄えがしない
今回、特に感じたのは「エキシビジョン」での普通のシャツとパンツ姿だ。
こじんまりを通り越して「ちんちくりん」だよね。
ファンの方、ゴメンナサイね。
エキシビションで演技する宇野昌磨=白井伸洋撮影 |
彼が登場した頃、高橋大輔選手と似ていると思ったら、尊敬している先輩がそうだと知って、納得したっけ。
小柄だけど全体の雰囲気が似ていたように思う。
羽生選手に憧れたとしても、体格的にはまったく正反対なのだから、目標が高橋選手と言うのは正しい選択と言えるだろう。
侮辱しているのではなく、実際のことだし、本人は十二分に自覚しているだろうから気にしないと思うのだが…。
誰でも「容姿」と「技術」が満点とは行かないのが世の中だ。
羽生選手の場合は『特別』だろうし、始めの10代でシニア初参戦の頃は、体力的にも見た目通りの脆弱振りで、フリーの後では立ち上がれず、肩で息して唇は真っ青、倒れるのではと心配したものだった。
その点、宇野選手は全く苦しそうな様子が無く、ニコニコ笑っていたように思うから、体力的には上なのだろうか。
羽生選手は1年1年確かな歩みを残し、次々と難関を突破し、終にオリンピックで連続の金メダルに輝いている。
ただ、漫然と年を重ねているだけではなく、ひとつひとつ技術も工夫も満点を狙っての努力の結果と言えるだろう。
宇野選手は派手なパフォーマンスで見せるのではなく、じっくりと確実にひとつひとつの技を確実にものにしている感じだ。
で「つなぎ」の衣装で変化をつけている
「つなぎ」って分かりますよね、上着からズボン、足元まで続いている服のこと、なんだかファッション的でないので、何か別の言葉はないか探したらあった。
「オールインワン」と言う言葉が…。
「ワンピース」は女性の着る服で、スカートまで続いているドレスのこと。
確かに「つなぎ」もワンピースと言えなくはないけれど…。
はっきり言って宇野選手の体格をカヴァするのには、ぴったりの衣装だと思う。
彼の得意の大技「クリムキンイーグル」には、オールインワンの衣装がずれなくて滑りやすいだろうし、見ていて安心感があるのだ。
クリムキンイーグル |
ショートのアントニオ・ヴィヴァルディ作 四季 協奏曲第4番 「冬」では、曲に合わせてグレイのグラデーションにしている。
シーズン始めは、上半身は見ごろがグレイ、襟元と袖先をブラックにして、パンツ部分は濃いグレイだった。
日本選手権では、同じようなデザインで肌色で裏打ちされた上半身は、グレイを基調にした薄地にグレイと紫の羽を、袖先と首回りから上着裾に配したもので、パンツは黒。
オリンピックでは、上半身の黒が袖先から肘近くまでぼかされ、上着風にデザインされていて、黒いパンツまで続いて見えている。
上着風の裾はV字風にデザインされ、淡いグレーの羽とラインストーンで斜めの線が強調されていて、胸元は肌を見せるように黒くぼかされ、ラインストーンが煌いているのが分かる。
平昌五輪男子ショートプログラム(SP)で演技する宇野昌磨
=韓国・江陵(2018年02月16日) 【AFP=時事】 |
彼はショートでもフリーでも胸元は開けて、ペンダントを目立つように付けている。
団体戦のショートでは、全身ブラックのつなぎで、上半身には羽とラインストーンの飾りが華やか。
色味は赤と銀を基調にしているらしい。
平昌五輪団体戦の男子SPで演技する宇野昌磨
=韓国・江陵[代表撮影](2018年02月09日) 【時事通信社】 |
フリーの曲のイメージは青に金
フリーの場合、楽曲は歌劇『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」。
この曲の場合、多くの選手達がブルー系の衣装を選んでいる。
「千一夜物語」で知られている中国の伝説が本話だからか、夜のイメージが強い暗いブルーが基本になっているのだろうか。
宇野選手も濃い青を基調にした衣装で、2015年の緑のものとはガラッと雰囲気を変えている。
上着風のトップは、ステンドカラーで胸元を開けたセクシーな形になり、首回りから背中、肩先まで、濃い青に金でびっしりと刺繍やラインストーンで埋め尽くした豪華なものになっている。
パンツも濃い紺にして、印象をつなげた感じがよく似合っている。
平昌五輪男子のフリーで演技する宇野昌磨
=韓国・江陵(2018年02月17日) 【時事通信社】 |
デザインは、多くのフィギュアスケーターから信頼されている伊藤聡美さん。
『夜明け前に、姫の居る城を見つめている皇帝』のイメージだそうだ。
若く覇気溢れる皇帝と言うところが、宇野選手のイメージに合っている。
羽生選手なら王子のイメージだろうが、宇野選手は若くても皇帝のイメージなのだろうか。
四大陸選手権の時に着た衣装は、同じようなデザインながら黄とブルーの配色で、刺繍やラインストーンで埋めているところは同じでも、印象が全く違っていた。
ヘアもオールバックで宇野選手らしくなく、評判が良くなかったみたい。
なんだか「ボケている感じ」、つまり締まらないのだ。
日本オリンピック委員会(JOC) @Japan_Olympic |
実はユフィは、宇野選手が衣装で体系を上手くカヴァしていると感じていた。
特にショートの『冬の雰囲気』はとても良いと思ったし、体型が気にならないし、多分4回転も回り易かったのではないのかな?
いろいろネットで「衣装」について探していたら、宇野選手は衣装をとても多く持っていると言うか、作っているらしいことが分かった。
デザイナーは伊藤聡美さんらしいのだが、お母様がいつも一緒に仮縫いに付き合って、いろいろと相談しているらしい。
多分、これからも衣装でも楽しませてくれるのだろう…。
期待は大きいですよ!
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