ユフィの記事
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本格的に浴衣の着付けをしてみる
小粋に白の半幅帯を締めて
ユフィが和も洋も縫い物が得意だということは、何回も書いた。
新舞踊などのお稽古用は、紺地に扇や糸巻き、あじさいなどの古典模様が多いのだが、浴衣の話としては、ジャックとお揃いで着た歌舞伎の隈取模様の浴衣が面白いと思う。
昔も今も浅草は和装のものを見つけるには、持って来いの場所。
新舞踊の舞扇や重ね衿などの小物は、浅草まで行けば気に入ったものが見つかる。
まだ、20代の頃、2人でお揃いの浴衣を作る話になって、浅草へ反物を探しに行き、思い切って派手なものをと、「白地に紺で歌舞伎の隈取模様」のものを選んだ。
その隈取もかなり大きく描かれたもので、2人で着て歩いたら人目を引くこと間違いなしの派手な浴衣。
「皆で渡れば怖くない」ではないけれど、「2人で着れば恥ずかしくはない」という訳。
ジャックとサーヤはかなりの「出たがり」だが、ユフィは今と違って若い頃は目立つことは平気だった。
とにかく、ファッション誌の編集部という仕事柄、人と同じスタイルは絶対にしなかったから、必然的に目立っていたのだ。
よく人に振り返られた経験があるし、慣れてもいたと思う。
自慢しているわけではない。
母似ではなく父似だったので、美人には程遠かったけれど、自分に似合うスタイルは熟知していただけ。
と言うわけで、今回の本格的な浴衣の着付けで選んだのは、青地にオレンジや赤で鳥や草花を抽象的に描いた浴衣らしからぬもの。
新舞踊の本番用の衣装の一点。
帯は白地に黒の博多織、母のデイホームに着て行った浴衣に貝の口に結んだものと同じ。
半幅帯には両面使いできるものが多く、この帯の裏は白無地になっている。
青地にオレンジ・赤という派手な色使いの浴衣には、白無地がぴったり合うと思う。
本絹なので締め心地もよく、しっかり結ぶことが出来る。
絹以外のものは、硬かったり柔らかすぎたりして、結びにくいものが多いようだ。
サーヤがモデルだが、「肌着や腰巻は今風ではないから、若い人は持っていない」と言うので、簡単着付けと同じ今風な下着で済ませることにする。
大体、浴衣の発生は『浴衣の字が表す通り』風呂上りの汗取り用だったらしく、何も着けない裸にじかに着たものらしい。
近年の温泉宿などでは、女性は自分好みの浴衣を選ぶ方法が一般化しているが、「温泉宿での浴衣姿」は昔からのお約束と言うこと。
そんなときに、きちんと着付けが出来たら、おんなっぷりが各段に上がって見えるのは確実。
「着付け」
① 綿の腰紐1、コーリンベルト1、伊達巻の細いもの1、帯板1、半幅帯1
② 浴衣をはおり、両方の襟先を合わせて左右のバランスをとり、右前から腰に巻いて少し折り返す。(足さばきが良くなる)
③ 左前を重ねて巻き、しっかりと押さえる。(浴衣は足首部分が見えるくらいに、軽快な感じに着る)
④ 腰紐を前から腰骨のすぐ上に当てて、二周りさせて前で1回結び、捻ってから腰紐にはさむ。
⑤ もう一度、左右の掛け襟の位置を合わせる。(後の縫い目が背中央に来るように)
⑥ おはしょりを整えて、右前部分を胸の下でたたみ、帯下の膨らみにする。(ウエストが細い人はタオル1枚を下着の上に巻く)
⑦ コーリンベルトのクリップを左身八つ口から入れ、右衿下を挟み、後を回して、左衿下を挟む。
⑧ おくみの縫い目を上下合わせ、後部分を整える。(余分な分はタックを左右に入れるか、脇に全部寄せてしまう)
⑨ 伊達巻で胸の下をきちんと押さえる。(1人で帯結びをする場合は押さえが必要)
⑩ 帯板を当てる。
⑪ 手になる部分を二つ折にして肩に回し、残り部分の帯をふた周り巻きつける。
⑫ 帯を斜めに折り、手が上に出るようにひと結びする。
⑬ 長い方の帯を長方形に中に折りたたみ、中央にひだをとって、上の手を下ろしてひと巻する。(たたむ長さで文庫の形が変わる)
⑭ 手をもうひと巻きしてから残りを帯の中に入れ、帯下から引き出し、結び目を帯の中に押し込み、残った手は帯下に折り入れて整える。
(文庫の形が崩れないよう、帯の上に収まるようにすること、帯下に折って入れた手で厚みが出ることで、粋な後姿が完成する)
⑮ 出来上がり。
さて、サーヤもユフィも、撮影するジャックも汗だらけ。
「浴衣って暑いね」がサーヤの感想。
宿屋の浴衣が暑くないのは、人様に見せるためではなく、寛ぐためのものだから…。
「この浴衣、私に似合ってない?」「似合っているからあげるわよ」
という訳で、この青い浴衣はサーヤのものになったけど、何時着る気なのかしら、ね。
「下駄は鼻緒がきつくて痛い」とうるさいし、この浴衣には、ミュールは似合わないよ。
「
髪の毛がうっとうしいんだよ。もっと粋な髪形にしろ!
」とは、ユフィの心の声でした。
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