やましたさんちの玉手箱
ユフィの記事
読切
TOP > クローゼット > 和服

京都を歩く女性たちの着物姿

唖然としたそのスタイルは

京の街の何処を歩いていても、和服姿の女性グループやカップルが大勢居て、ほほえましいと言うか、嘆かわしいと言うか、とっても鬱陶しい気分になってしまった。
地元の女性の和服姿なら、風情も感じられて嬉しいものだが…。

昨年6月に訪ねた際も、大勢の観光客の和服姿に出会い、いささかゲンナリした記憶がある。
しっかり着付けられているのは良いのだが、着こなしはもちろん、立ち居振る舞いは現代女性のままだから、そのギャップが凄い

もちろん、彼女達は京都を充分楽しむために装っているのだから、誰が文句をつける理由もないのだが、年配の着物を着慣れた身には、なんとも楽しくはないのだ。

タクシーの運転手さんによると、アジアの旅行客が半数とのこと。
「だから、派手な色彩の現代的な柄の着物が好まれて、なんとも華やかな変な格好になっている」との弁。
足袋を履き慣れないから、ストッキング形式のものを履いていたし、ね。
とっても寒そうだったけれど…

古い京都を知る人たちや地元の住人には不評らしいが、これも観光都市のひとつの宿命なのだから仕方がないと言える。
6月の浴衣に近い単の着物とは違って、底冷えする京都の冬の和服は、
身支度から違ってきて当たり前。

面白そうだからレンタルショップを検索。
おどろいたぁ、だって安いし、便利だし、身包み全部セットだし、京都駅から荷物を持ったまま直行して預け、ヘアセットや着付けまでしてもらい、着物返却は翌日で、コンビニやホテルからでもよいらしい。

当然季節に合わせた着物が揃っている様で、「手軽にシンプル」「優雅に地味過ぎず」「トレンドの着物」「有名ブランドにこだわる」等々、価格によって様々な着物が調えられているみたい。

   この二人連れは手軽にシンプル派かな

冬場の京都は底冷えするから、それなりの用意が必要なので、各店によって防寒用の品は様々あるようだ。
街で見かけた装いは、大きなショール、羽織や道行コート等で一応防寒対策はしているようなのだが、なにしろ全てが初めて着たものばかり

後ろから直してあげたい襟元は、羽織やコートの襟がかぶさっていて、実に見苦しいのだが、本人達は寒さ対策も兼ねているのか、美しい襟元や衣文をひっ詰めてしまうから、「何んともはや」の格好になる

絞り染めの羽織姿、バランスは良いのに襟が被さって居て残念

中にはショールだけなので、おはしょりの下の腰紐が丸見えの女性も居て、流石にサーヤが「直してあげたい」と言った。
冬場の着物には、上に羽織るものは絶対に必要なのだし、外歩き以外の場で綺麗な着付けは楽しんだらどうかな?

誰もあなたに注目はしていないし、自己満足のファッションなのだから「ほって置いて」と言われたら何も言えないが、ともかくも日本人としての自覚だけは持っていてよね。

外国の人には言えないけれど、前述のタクシーの運転手曰く。
「派手な赤などの着物を借りているのは外国人、中国は赤が好きだし、
落ち着いた色合いの着物は日本の人が多い」とのこと。

八坂稲荷で見たカップルの女性、落ち着いた配色の着物と羽織を同じに調えた洒落た装いで、やっと「いいな」と思えたっけ。
男性までは混んでいたので、よくは見なかったのだが…。

カップルで利用している二人連れがけっこう多かったのだが、割引があるらしいので納得。
夏の浴衣姿よりは、男性は格好がつくような気がした

  アーケード内のカップル 派手な着物で楽しそう

さて、なんとなくのうやむや気分、帰りの新幹線のホームで会ったお姐さんの二人連れですっかり解消。
粋な雰囲気で着物姿もこなれていて、落ち着いたコート姿と三角のショールに襟巻きのバランスも良く、「これぞ京都の女性」と言う雰囲気。


ちょっと失礼して撮らせていただいたが、祇園の女性が東京に出張でお仕事かな、という感じがした。
大きな荷物を持っていて、お仕事着が入っているのかも…。
最後の最後に「気分をスカッとさせてくれたお姐さん達」、ありがとうございました。
▲ページTOP